2020.08.23

「Sunday wave vol.39」

●オープニング
8月7日、宮崎有妃にコロナウイルスの陽性反応が出たことを受け、8・14名古屋、8・9大阪(広田自主興行)、8・16後楽園の3大会を中止にしたwaveが今大会より活動を再開。

大会に先立ち、出場選手による入場式がおこなわれ(尾崎魔弓と“仕込み”のある旧姓・広田エリザベスさくらは欠席)、選手を代表し、桜花由美が「みなさんこんにちは!(会場から小さな声で反応。それを上回る大きな拍手)そうでした。声を出しちゃいけないんでした。みなさん本日はご来場誠にありがとうございます! 8月7日にウチの選手の宮崎有妃がコロナ陽性反応が出てしまって、8月の大会、そしてHIRO’eの引退興行が延期となってしまい、みなさんにご心配とご迷惑をおかけして、申し訳ございません。えー、宮崎有妃の方は体調はよくなってきていまして、来週、もう一度、PCR検査を受けて、陰性が出ましたら、9月から復帰させていただきたいと思っておりますので、みなさんよろしくお願い致します。HIRO’eの引退が1カ月、伸びて、日程が合わなくて残念なことに行けなくなってしまった方もいらっしゃると思います。ですが、HIRO'eの試合もあと4回は見れることになったので、ぜひHIRO'eの、最後までHIRO’eの勇姿をぜひぜひ見に来てください。本日、全4試合、休憩はございません。みなさん声はほどほどに…だけど、心の中ではたくさん盛りあがってください。みなさん、応援よろしくお願い致します」と挨拶し、大会をスタートさせた。
1、スクランブルwave(20分1本勝負)
○高瀬みゆき&青木いつ希&響(16分7秒、片エビ固め)林亜佑美●&Maria&稲葉ともか
※ローリングストーン


活動再開となった8・23新木場大会のオープニングマッチを任されたのは、高瀬みゆき&青木いつ希&響組と、林亜佑美&Maria&稲葉ともか組の6人タッグマッチ。試合前から気合の面でも意地を張り合い、大会を盛りあげる。

先発は青木vs林。林は「わっしょい」を連呼し、青木は「青木」コールで自らを奮い立たせる。先に主導権を握ったのは青木。林をロープに張り付けボディーアタック、すかさず響が背中にダブルチョップを叩き込むと、高瀬が張り付けドロップキック。もう一度響のダブルチョップを挟んで、青木が張り付けダブルニーアタックで飛び込む。
交代した高瀬は林にガットショットを叩き込むと、ヘアホイップ。コーナー下に押し込み、踏みつける。続けざまにボディースラム、ギロチンドロップを投下するもカウント2。

林もクロスボディーで反撃を試みる。これを高瀬がキャッチしバックブリーカー。そして林をコーナーに逆さ吊りにし、串刺し攻撃をお見舞いする。響にタッチ。

響は逆エビ固めへ。耐えられるとボディーシザースに移行し、サーフボードストレッチで絞り上げる。
防戦一方の林だったがドロップキックでやり返し、なんとかMariaと交代。Mariaが響にドロップキック3連発で報復。キックアウトされると稲葉との連係を決めるがカウント1止まり。

一方、響もMariaをコーナーに押し込み串刺しスピア3連発。正調スピアはカウント2。

続いて青木vs稲葉に移行。稲葉はキックからのレッグロックへ。アキレス腱固めで捕獲する。これはカットに遭い、惜しい展開。青木がエルボーで反撃に転じると、稲葉はキックでやり返す。走る稲葉だったが、青木がショルダータックルで迎撃。ならばと稲葉はキックのコンビネーションでお返しし、林がドロップキックで続く。
林は青木にスリーパー。なんとか青木がエスケープすると林がドロップキックで追い打ち。青木も串刺しバックエルボーで形勢を入れ替える。そしてフェースクラッシャーからのボディープレスを投下。さらに青木はバックフリップを敢行。返されると高瀬とタッチする。

高瀬は林に逆水平チョップ。串刺し攻撃を狙うが、Mariaが迎撃し流れが変わる。逆に林組がトレイン攻撃。すかさず林が水車落とし→ダブルリストアームサルトにつなげる。そして鎌固めへ。耐えられると走る林だったが、高瀬がパワースラムで再び攻守逆転。
カミカゼを決めた高瀬は、ファンタスティックフリックで響を投下。青木のフットスタンプを挟んで、セカンドからのギロチンドロップを放つ。

これも耐える林。逆にカサドーラ、ジャックナイフエビ固めなどで高瀬を追い込む。あわやの場面も見られたが、しのいだ高瀬がラリアットで流れを変えると、ローリングストーンにつなげて勝利を収めた。
2、コミカルwave(15分1本勝負)
○優宇(10分48秒、片エビ固め)旧姓・広田エリザベス魔弓●
※ラストライド


発表されていたのは旧姓・広田エリザベスさくらvs優宇のシングルマッチだったが、広田は尾崎魔弓のテーマ曲で入場。尾崎のコスプレをした広田が現れると、観客からは笑い声が自然発生した。

野中リングアナは「旧姓・広田エリザベス魔弓」とコールする。尾崎になりきった広田はアルミ箔で作ったチェーンで奇襲攻撃。Tommyレフェリーが凶器をやめさせようとするが、優宇は棒立ち状態。むしろ「ぜんぜん痛くない。なにこれ!?」と怪訝な顔。

お構いなしの広田がフェースクラッシャーを叩き込み、「尾崎のいつもやってるヤツ行くぞーっ!」と高田純次。
だが、優宇は高田純次に付きあわず。しかし広田はしつこく仰向けに。ヤケクソになった優宇が高田純次からのセントーンを投下。コーナーに登るも、ここで広田がボ・ラギノール。そして担ごうとするが、持ち上がらない。広田は「ちょっとは痩せろ!」とお尻を叩いて逆ギレ。そして「えっ、やるの?」とロープ渡りを無茶ぶりする。こちらも仕方なく優宇がチャレンジするも、バランスを崩して転落。そのまま場外へ。広田はトペ・スイシーダを狙うが、これは失敗となった。
リングに戻ると、広田はカニばさみ。張り付けボ・ラギノールを決めると、イスとケチャップを用意。
広田は優宇の指をイスで挟むと、優宇をイスに座らせ、走り込んでの耳元で奇声。

そして、アルミチェーンで殴りまくる。すると広田はなにやら優宇に指示。どうやら、ケチャップを自分の額にかけろ、ということらしい。
優宇はしぶしぶケチャップを自らの額にかけると、広田がチェーンで殴打。

まるで流血したかのような状況を作り上げ、シャイニング・ウィザードを狙うが、キャッチした優宇がコーナーにパワーボムで叩き付ける。
そして、キャノンボールからのべあべあーず! 最後はダメ押しのラストライドで3カウント!
3、浴衣wave(20分1本勝負)
○野崎渚&SAKI(15分38秒、エビ固め)桜花由美&桃野美桜●
※ノアールランサーハイ


wave夏の風物詩・浴衣waveがラインアップ。通常のプロレスルールに加え、浴衣がはだけて両肩が見えても負けとなる特別ルールとなっている。またマーベラス刈谷大会で復帰した桃野美桜がwaveに久しぶりに参戦。桜花とのBoss to Mammyを復活させた。
先発は桜花vs野崎。浴衣を着ているため、お互いにビッグブーツが決まらない。串刺し攻撃は、ハンマースルーされた野崎も、突っ込む側の桜花もチョコチョコ歩き。しびれを切らした桃野がかわりにドロップキックを叩き込む。
野崎も我慢できなくなったのか、浴衣をたくし上げてビッグブーツ。桜花の胸元にブレイジングチョップをお見舞いする。すぐさまロープに走るも、桜花が払い腰。そして桃野にチェンジする。
続いて桜花が串刺しビッグブーツ。ボスマミの串刺しロケットキックを放つ。SAKIも串刺しニーで流れを変えると、コーナーに桜花をセットしニーリフト。ブレーンバスターを放って野崎とタッチする。
桃野もドロップキックでやり返す。ロープに走るも、SAKIがカニばさみからのカンパーナ。桜花がビッグブーツで助けに入る。ならばとSAKIはボスマミに串刺し攻撃を狙うが、桜花にのみヒット。桃野の誤爆もあり、桜花が戦線離脱。だが、桃野は心配する素振りもない塩対応。そして、SAKIに旋回式ヘッドシザースを敢行する。
続いて桜花が串刺しビッグブーツ。ボスマミの串刺しロケットキックを放つ。SAKIも串刺しニーで流れを変えると、コーナーに桜花をセットしニーリフト。ブレーンバスターを放って野崎とタッチする。

野崎は桜花をコーナーにセット。桜花の浴衣をまくり上げて野崎式串刺しビッグブーツ。コスチュームを着ているとはいえ、浴衣をまくられ、お尻を露わにされた桜花は恥ずかしさのあまり立ち上がれない。
。SAKIも加わるが、桜花がフェースクラッシャーで迎撃。すると、暑くなった桜花が片方の肩を出して、ビッグブーツ対決を挑んでいく。だが、野崎はブレイジングチョップで応戦。桜花のカカト落としはカウント2。垂直落下ブレーンバスターもカウント2止まり。
代わった桃野が野崎にダイビング・クロスボディーを投下。低空ドロップキックはカウント2。ロープに走るも、野崎がカウンターのビッグブーツ。ドルミルⅡの体勢へ。これは桜花が救出に入る。
ならばと野崎はダブルニーアタックで追撃。今度は野崎がロープに走る。桜花がカウンターのネックハンギングボムで妨害すると、間髪入れずに桃野がジャックナイフで飛び込む。カウント2。続くJKボムも未遂に。ボスマミは合体不知火から、桃野がダイビング・ボディープレスを投下。さらにツープラトンのブレーンバスターを狙うが、野崎が堪える。
ならばと桜花が野崎を羽交い締め。桃野が飛び込むも、野崎がフロントハイキックで迎撃する。さらに桜花のビッグブーツを桃野に誤爆させると、仕留めにかかる野崎。

走る野崎を桃野がカサドーラからのフットスタンプで丸め込む。カウント2。今度こそはとJKボムを狙うが、なんとかSAKIが妨害。再び流れが変わり、野崎がノアールランサーハイで飛び込む。これは桜花のカットが間に合うも、野崎がダメ押しのノアールランサーハイで桃野からピンフォールを奪った。
4、メモリアルwave~COUNTDOWN LONG BEACH・26日~(15分1本勝負)
○尾崎魔弓(12分2秒、片エビ固め)HIRO'e●
※オザキック


コロナの影響でHIRO’eの引退が9・18後楽園大会に延期となり、改めてHIRO’eの引退ロードが再開。今大会では、8・14名古屋でおこなわれる予定だったHIRO’evs尾崎魔弓の最後のシングルマッチが組まれた。

尾崎が入場すると、セコンドには正危軍モードの桜花の姿。これに異を唱えるHIRO’eだったが、桜花は悪態を付くばかり。そんななかゴングが鳴らされる。
先制攻撃をしかけたHIRO’eがスピアを連発していく。尾崎をロープに張り付けるHIRO’e。変顔を観客に披露していく。すかさずロープに走るも、セコンドの桜花が足をすくって妨害。
形勢を入れ替えた尾崎はチェーンパンチ。そして、イス攻撃。桜花も加わり、2対1の状況となる。HIRO’eをロープに張り付け返すと、桜花だけでなく、尾崎のコスプレのままの広田も加わる。
これに気付いた尾崎が広田を蹴り落とし、試合再開。HIRO’eの指をイスで挟むだけでなく、指の上にイスを落とすヒールファイトを展開していき、腕固めへ。ボディースラムでカウント1。
劣勢のHIRO’eだったが、コーナーに振られると焼豚で攻守逆転。低空ドロップキック。ブレーンバスターにつなげる。さらには串刺しスピア2連発を放って、ロングビーチへ。耐えられると、コーナーに向かうHIRO’e。
尾崎が追いかけ、雪崩式ブレーンバスターを敢行。返されると、チェーンパンチを見舞った尾崎。桜花のビッグブーツを挟んで裏拳を放つ。テキーラサンライズの体勢に入る尾崎だったが、踏ん張るHIRO’e。桜花がビッグブーツで飛び込むも、寸前でかわされ正危軍が同士討ちに。
このチャンスにHIRO’eは尾崎&桜花にスピアで飛び込むと、尾崎にチェーンを投げつける。そして、ミサイル発射。チンクラッシャーを放ってサクラ落としにつなげる。カウント2。カサドーラもカウント2。すぐに走るHIRO’eに尾崎がカウンターの裏拳。キックアウトされると、すかさずオザキックで畳みかけ貫録勝ちを収めた。
キックアウトされると、すかさずオザキックで畳みかけ貫録勝ちを収めた。
●エンディング
試合後、尾崎はHIRO’eに馬乗りになり張り手。
尾崎「2回目の延期はねーぞ。後悔しないように最後まで闘えよ。わかったか!」と、尾崎らしい贈る言葉。そして、ファンにもHIRO’eのことを応援するように声をかけてリングを降りた。
入れ替わるようにリングに上がったのは、桜花。

桜花「HIRO’eちゃん、こんな時期だからHIRO’eちゃんの引退試合、延びてしまいました。でもそれを受け入れてくれました」

セコンドの広田が「急に良い人ぶるんじゃねーよ!」と横やりを入れる。

桜花「うっせーよ! 私はいいヤツなんだよ。いいヤツなんだ! 嬉しい報告しに来てやったのによ。HIRO’eちゃんの引退試合が9月18日、後楽園大会に延期になりました。そしてHIRO’eちゃんの試合も2試合、増えたということです。2試合増えたから、HIRO’eのね、ご希望を叶えてあげようと思って。waveはいまフリーの選手を上げないということでやっています。だけど、HIRO’eが当たりたい選手にフリーがいます。なので、HIRO’eちゃんが引退延期を飲んでくれたから、私もフリーを出すことを飲みます。9月1日、新木場大会。次回大会、HIRO’e&高瀬みゆきのタッグvs米山香織&チェリー! そして9月6日、新宿大会。これHIRO’eがどうしてもやりたいと言ってた、HIRO’e&雪妃真矢vs響&アンドラス宮城。同期対決。あとね、もう一つ流れたカードがあるじゃない? それも実現させようと思って、この日2試合してもらいます」
広田「私の大阪興行も流れてしまいました。で、そこで組まれてたよね? それが実現します。広田プレゼンツ試合、朱崇花と。エキシビションですが、やってもらいます。タッグでたぶんヘロヘロでしょ、だからエキシビション。(試合順に関して質問するHIRO’e)それはわからない。そこらへんはHIRO’eの引退に向けてのヤツだったから、どうしてもやってもらいたかったから、ダメになったけど、ここでできることになりました。HIRO’e対朱崇花、シングルマッチ思う存分やってください。広田プレゼンツでお届けしますので」

桜花「そして9月18日の後楽園大会のカードは、8月16日に決まっていた、HIRO’e&野崎渚vs米山香織&高瀬みゆき。このカードは変えずにこの試合で思い残すことなく引退してください」
HIRO’e「希望を叶えてくれてありがとうございます! いま桜花さんが言ったカードは、フリーは上げないとわかっていながら、でもダメもとで言ってみるかと思って言って、会社が折れてくれたカードなので、全力で楽しんでプロレスに思いを残すことないように、引退ロード駆け抜けていきたいと思います。今日はすごいムカついたけど、でも、感謝しています。最後までよろしくお願いします。ではみなさんリングに上がってください。今日、試合に出たみなさん上がってください。次のwaveの大会は、9月1日。そのときには宮崎さんが元気だったら復帰してるかもしれないので、そうしたらみなさんまた5人そろったwaveを見に来てください。そのときはまた5人で最高の笑顔でみなさんをお待ちしていますので、みなさんよろしくお願いします。とりあえずいつものシメにいきたいと思います。いきますよー。ではいきます、これがwaveだ!」
●HIRO’eバックステージ
——尾崎魔弓戦はいかがでしたか?
HIRO'e「いやー、桜花由美があんだけ出てくるというのは計算に入れていたつもりだけど、(桜花は)前の試合だったし、出て来ないだろうなという自分の甘い考えがあったと思います。ちょっと社長ですよ!? 社長なのに『知らねー!』みたいな感じで試合前に言われて、どうなんだよってすごい思いました」

——尾崎との試合は?
HIRO’e「悪のかたまりっていうのは変わらず。尾崎魔弓だなって思ったし、でもなんかすごい悪い心を持ってるのに、メチャメチャ最後いいこと言って、メチャメチャ格好よくて。ああ、尾崎魔弓すげーなって。なんだろう…憎いけど憎めない。わー、なんか悔しいって思いますね。すげー、やっぱさすが30年以上ヒールでやってる選手だなって。私なんかじゃ足下にもおよばない、プロレスの深さがあるなって思いました」

——1カ月引退が伸びました。それについては?
HIRO’e「そうですね、なんて言うんですか? コロナのなか、世の中こういう状況のなか、引退試合というものが発表されてて、それを日程ずらさず、おこなうっていう予定だったので、どこかでそういう風に中止になってしまうかもしれないっていうのはずっと感じて、思っていたので、そういう心構えはあったので、実際にそうなってみて、なんか別に中止が最善策だと思うので、ぜんぜん普通に(延期を)飲めたし、すごいみんな私のことを心配してくれるんですけど、モチベーションの部分とか? でも、自分の中であと何日とかカウントダウンしてて、その中で全力を尽くそうっていう感じだったんですけど、別にモチベーションとかはそんなに変わりなく、下がることもなく、覚悟があったからだと思うんですけど、本当に一番は宮崎さんが無事に療養から復帰されるのが一番、早く復帰したらいいなという気持ちが一番大きかったですね。はい、自分のことはあんまり。普通に受け入れられました。延期ってことを」

——2試合追加されたが。
HIRO’e「はい、そうですね。コロナで今日の大会から私はいない予定で、引退試合のカードは私は絶対変えたくなかったので、その間の試合、尾崎さんのはそのままズラす。で、残りいままで予定で組んで無かったところを入れようってなって。いままでやってないカード、やりたいと思ったときにやっぱり同期、響は再デビューっていう形ですけど、やっぱり同期と試合したいなと思ったのと、あと高瀬と引退ロードで一回組んだんですけど、Yシャツマッチでちゃんと組んで試合してなかったので、組みたいなと。あと自分がベルトを取ったタッグチーム、米山さん、チェリーさんともう1回やりたいなというので、会社に希望は出して。それが通ったか、通ってないかはわからず、試合後に通ったと聞きました。うれしかったです」