2019.04.28

プロレスリングWAVE Phase2~OSAKA Reboot

◆入場式
新体制になってから初の大阪大会。
第3試合終了後にいったん中締め。
休憩、ミニライブ後をDAIJO(大阪女子プロレス)のファイナルマッチとして行う2部構成。
ロビーには、引退する下野佐和子宛に、植松寿絵、大畠美咲、山下りな、朱崇花、夏すみれ、後藤恵介、石黒淳士といった元ZABUN勢、PURE-J、OZアカデミー、琉球ドラゴンプロレスリング、帯広さやか、花月などから届けられた祝花が飾られていた。
出場全選手がリングに揃った入場式では、対戦カード発表ののち、新社長に就任した桜花由美が挨拶に指名された。
「皆さん、こんにちは。今日はWAVE大会&下野佐和子引退試合にこんなにたくさんのご来場、誠にありがとうございます。改めてご挨拶させていただきます。株式会社ZABUN代表取締役の桜花由美です。再起動して初めての大阪、今日、ほんとにこんなにたくさん集まっていただき、皆さんに期待されていると思うのと、下野の引退を皆さんが見たいと思って来てくださっていると思うので、皆さん、今日は、たくさん声を出して応援してください。WAVEは参加型です。皆さんの声援があって、選手も頑張れます。なのでぜひぜひ、たくさんの応援、よろしくお願いします」の言葉に超満員の観客から大きな拍手が贈られ、第1試合に移っていった。
▼ヤングwave~Which one?~(10分1本勝負)
○長浜浩江(7分10秒、片エビ固め)門倉凛●
※ムーンサルトプレス。長浜が「CATCH THE WAVE 2019」ヤングブロックでの出場権を獲得


5・5後楽園で開幕する「CATCH THE WAVE 2019」のヤングブロックの出場権をかけた一戦。
試合開始のゴングと同時にコーナーを飛び出した長浜浩江がドロップキック、スピアなどで先制攻撃。
出鼻をくじかれた形の門倉凛は防戦に立たされたものの、スピアを受け取めてのDDTで反撃に転じ、ドロップキック、ミサイルキックで逆襲。
足を止めてのエルボーの打ち合いからスピアを決めた長浜は、ブレーンバスター、ノーザンライトスープレックス、バックドロップの大技のラッシュ。
しかし、続いて狙ったムーンサルトプレスはかわされて自爆。
チャンスと見た門倉は、キャノンボールアタック、トラースキック、ダブルリストアームサルトで一気に攻め立てる。
丸め込みの応酬からスピアを決めた長浜は、ノーザンライトスープレックス、ジャーマン、バックドロップホールド、ムーンサルトプレスとつないでカウント3を奪った。

「CATCH THE WAVE 2019」の出場権獲得に全身で喜びを表す長浜。
一方、敗れた門倉は青コーナーに座り込んだままがっくりとうなだれている。
ここで、この一戦をリング下で見ていた桜花由美社長がリングに上がる。
そして門倉に対し、「この前、野崎に勝って、今日の試合もよかった。キャッチ出たいよね?」と言葉を発すると、会場から「(『CATCH THE WAVE 2019』に)出してあげて !」「見たい!」の声が飛ぶ。それを聞いて、「見たい? じゃあ、テクニカルブロックで」と社長権限で出場権を与えた。
これを聞いた長浜がマイクを奪い、「ちょっと待って。今の(試合)は?」とせっかくもぎ取った勝利が無意味だったことに反論するも、桜花社長は「今のはヤングブロックの出場決定戦だから。だから、お前(長浜)はヤングブロック。門倉はテクニカルブロック」と説明。
納得いかない長浜は、「じゃあ、いいよ。私、ヤングブロックで全勝優勝してやる!
全勝優勝じゃなくて、1回でも負けたら、そのあと不戦敗でいいわ」と宣言。
そしてファンに向かって「だから長浜浩江かわって、HIRO'eがキャッチ優勝するとこ見に来いよ」とアピールした。
▼Future wave(15分1本勝負)
○志田光(9分41秒、片エビ固め)優宇●
※魂のスリーカウント


水波綾の欠場で急きょ、出場が決まったのは、海外遠征から帰国したばかりで、「CATCH THE WAVE 2019」初出場が決まっている優宇。
元“波女”でもある志田光は、「CATCH THE WAVE」へ向けて胸を借りるには格好の対戦相手といえる。
ロックアップから一気にロープに押し込んだ優宇。
ここはクリーンにブレイク。
バック、リストの取り合いからサイドヘッドロックとオースドックスな展開からタックルへ。
これに打ち勝った優宇だが、志田はアームドラッグで優宇を宙に舞わす。
ドロップキックを浴びながらも、パワーで志田を攻め立てる優宇。
志田がボディースラムを狙ってきたところを逆にボディースラムで叩きつける。
志田はシュミット式のバックブリーカーを決めるも、自らのヒザへのダメージも大きい。
走り込んでくる志田を抱え上げ、トルネード式のサイドバスターを決めた優宇は、重量感たっぷりのセントーンから相手のリストをつかんだままでの逆水平3連発。
志田が放った串刺し式ジャンピングにーを受け止めてマットに叩きつけ、ショットガン式ドロップキック、巴投げ、スリーパー、カウンターのすくい投げと一気に攻め立てる。
優宇がラリアットを狙ってきたところにジャンピング・ニーを合わせた志田は、延髄斬り、スリーカウントと反撃。
それでも優宇はスリーパーに捕らえる。
そのままグラウンドに持ち込もうとしたが、相手の勢いを利用して後方に1回転して逃れた志田は、腰を落とした状態の優宇の後頭部にヒザを叩き込み、ジャンピング・ニーから魂のスリーカウントにつないで、優宇のパワフルな攻撃を振り切った。
▼アブノーマルwave(20分1本勝負)
○桜花由美、野崎渚(15分45秒、体固め)宮崎有妃、旧姓・広田さくら●
※ふらふらど~ん


今大会唯一のWAVE勢による純血マッチ。
試合開始早々、いきなり恥ずかし固めを決められた野崎渚だが、桜花由美がカットに入り、すぐさま反撃に転じ、宮崎有妃に対してダブルのビッグブーツをカウンターで決める。
しかし、現WAVEタッグ王者チームは、旧姓・広田さくらが技の失敗やタカダジュンジ、ロープ渡り、ボラギノール、連係ミスなどコミカルな展開を織り交ぜて相手のペースを乱そうとするも、野崎は相手のペースに乗らず。
逆に桜花と野崎は、長い脚を利用してのビッグブーツで王者チームを追い込んでいく。
桜花が宮崎にバックドロップ、広田が桜花にミサイルキック、テキーラサンライズ、桜花が広田にネックハンギング・ボム、投げ捨てタイガーススープレックスと大技が繰り出される中、ビッグブーツをかわした広田が野崎に、宮崎が桜花にときめきメモリアルを決める。
桜花にボラギノールを決めた広田だったが、桜花のふらふらど~んを浴びてカウント3を聞いた。

勝利を飾ったものの、「なんか、勝ってもうれしくない」と桜花。
それでも腰にベルトをまく仕草をして、「ケツの穴鍛えて、タイトルに挑戦してやる。それまで(ベルト)持ってろよ」とタッグ王座挑戦をアピール。
そしてWAVE大会のエンディングとして中締めへ。
すると長浜が飛び込んで来てマイクを奪い、勝手に音頭を取る。
「今日もいい波の乗ってるか!」「乗り遅れるなよ!」「また乗りに来いよ!」「ビッグウエーヴ!」の掛け声とともに観客がウエーブを起こし、「これがWAVEだ!」の大合唱で下野佐和子引退試合へとつないでいった。
▼OSAKA女子・下野佐和子引退試合~雷電完結~(30分1本勝負)
〇下野佐和子、フェアリー日本橋(14分20秒、片エビ固め)救世忍者・乱丸●、ハイビスカスみぃ

※雷電ドロップ


下野佐和子にとっては2年2カ月ぶりとなる試合。
凡女☆美ィーナス、フェアリー日本橋、下野の順で入場。下
野の入場ではDAIJOのキャラクターたち(ポリスウ~メン、弁天娘、三崎グリ子、クロネコ、黒弁天)が先導。
リングインしてDAIJOオールスターによる記念撮影。
そして下野に花束が贈呈された。
引退試合の湿っぽさはなく、むしろ下野にとってはデビューしてから初めて楽しそうにリングに立っている様子がうかがえた。
下野が先発を買って出ようとすると、凡女☆美ィーナスは対決を避けるように2人ともエプロンに下がる。
逆にフェアリーが出てくると、2人がリングイン。
結局、フェアリーと救世忍者・乱丸の先発で試合開始のゴング。
まずは自己紹介から。
フェアリーが「お友達になりましょ」を握手を求める。
これまで何度も騙されてきた乱丸だが、下野の引退試合ということで裏切らないというフェアリーの言葉を信じて握手を返したが、フェアリーは蹴りを叩き込んでいった。
下野vsハイビスカスみぃの展開になると、下野がショルダータックルを連発。
何度もダウンさせられるみぃ。
カバーに行くたびにブリッジで逃れるみぃだが、4度、5度と繰り返され息が上がっていく。
コーナーに押し込まで踏みつけられたみぃは泣き出し、下野が謝る展開に。ここで凡女☆美ィーナスは連係を狙っていくも、失敗して笑いを誘う。
タッチを受けたフェアリーはステッキを持ち出し、それを振り回してみぃを何度も宙に舞わす。
しかし、「もう終わりにしましょ」とリングに仰向けになるフェアリー。
みぃがカバーに行くが、ここは下野が慌ててカット。そして「なにしてんねん!」とフェアリーを場外に叩き落とす。
みぃに串刺しジャンピング・ニーを決めた下野は、四方に向かって右手を突き上げ「オー!」の4連発。
みぃのスタナー、低空ドロップキック、乱丸のトラースキックを許した下野だが、乱丸にラリアット、一本背負い、ショルダータックルを決め、「寝とけ!」と叫びながらヒップドロップを放ったがかわされ、乱丸のバズソーキック、みぃのミサイルキックを浴びる。
ここでステッキを手にリングに飛び込んできたフェアリー。
しかし、みぃにステッキを奪われてしまう失態。
みぃは先ほどのお返しとステッキを振り回すが、フェアリーに魔法は通じない。
逆にフェースクラッシャーを浴びるが、みぃもブレーンバスター、ランニング・ネックブリーカードロップを決める。
そして乱丸にスタナーを決めてカバーにいくが、このまま引退試合を終わらせてなるものかと、下野が味方であるはずのフェアリーに蹴りを見舞ってカット。
さらにリング下に落とす。
乱丸とエルボーの打ち合いを繰り広げた下野は、ニールキックをカウンターで浴びる。
そしてコーナーに追い込まれ、リング下にいたDAIJOキャラクターから串刺し攻撃を浴びる。
しかし、最後に飛び込んできた乱丸の攻撃をかわし、逆に乱丸に連続串刺し攻撃を指示。
乱丸にえびす落としを決めた下野。
ここはみぃにカットされたが、コーナー最上段から惜別の雷電ドロップを投下して、自らの引退試合に幕を引いた。
電報が読み上げられ、花束贈呈に。
二上美紀子さんからは「退職金」が贈られた。花束贈呈が終わると、下野の口から観客数の発表。
区民ホールクラスでは史上最多となる「336人、札止めです」と伝えらえると、大きな拍手がわき上がった。
そしてDAIJO勢による記念撮影が終わると、下野から「本日、2019年4月29日、大阪女子プロレスは終焉となります。2010年から旗揚げして9年間、たくさんの方に愛されたと思ってます。本当に温かいご声援をありがとうございました」とDAIJOのフィナーレが伝えられ、これまで必ずDAIJOの大会前にバックステージでやってきた円陣を組んでの掛け声、「エンジンかけるで! ブンブンブン! DAIJOは
永遠に不滅だ!」を最後にリング上で披露した。
そして下野だけがリングに残る。
「皆様、本日はたくさんのご来場、ありがとうございました。大好きな大阪の地で、大阪女子プロレス所属としてデビューさせていただき、ここまで9年間、つらいことも、楽しいことも、プロレスを通して学んでこれました。プロレスと脱毛症のことも交わって、たくさん悩んだ時期もありましたが、カミングアウトしたことで、勇気を持ち、進み続ける力を、自分でつけることができたと思っています。これから先、つらい子ことがあっても、このプロレスで培った力は、必ず糧になると信じて、これから先も進み続けたいと思っておりますので、どうか皆様、女子プロレスも応援、よろしくお願いします。そして、大阪女子プロレス下野佐和子を温かい声援で応援して下さり、本当に本当にありがとうございました。これにて下野佐和子、2019年4月28日を持ちまして、引退させていただきます。本当にありがとうございました」と、時折、言葉を詰まらせながら挨拶。
そして「下野佐和子、1988年9月9日生まれ、鹿児島県薩摩郡出身。プロレスリングWAVEとの姉妹団体、大阪女子プロレス所属。2009年、大阪女子プロレスへ入門。翌2010年3月21日、大阪女子プロレス旗揚げ戦、大阪・世界館大会にて、その後、ライバルとして、同志として、関係を築くことになる花月戦でデビュー。「あたいが見てきた中では、一番感動するデビュー戦やったわぁ」とあるベテラン大阪出身選手をはじめ、リングサイドに集まった先輩、セコンド、全員を感動させる闘いを披露したデビュー戦でした。その3日後、デビュー戦での活躍を認められ、負傷欠場した渋谷シュウの代わりに急きょ、プロレスリングWAVE新木場大会に出場。桜花由美とのシングルマッチで、東京のファンの心もガッチリつかみました。翌2011年に入り、下野佐和子十番勝負がスタート。期待を込められ用意された強豪選手の壁は高く、0勝9敗。そして迎えた7月16日、十番勝負最後の闘いの相手は、JWPジュニア、POPの2冠王者、花月。この闘いでの下野選手の気迫はすさまじく、見事、花月を撃破。JWPジュニア&POPの2冠に輝きました。10月にはプロレスリングWAVE初の大阪府立体育会館(第2競技場)大会で、アジャ・コングとのシングルマッチが行われ、敗れはしたが、レジェンド相手にそのポテンシャルの高さを見せつけました。そして2013年7月には、地元・鹿児島でのプロレスリングWAVE大会が開催され、下野選手がメインイベントに出場。この試合を見事勝利。地元凱旋に華を添えました。女子プロレスジュニア戦線のトップを走りながら、トップレスラーとの対決、大阪と東京を行き来する日々、そして大阪女子プロレスの代表としてマッチメークや営業活動に勤しむ下野選手。このころから下野選手を病魔が襲いました。原因不明の全身脱毛症。バンダナそ締めての闘いを重ねる下野選手ではありましたが、その闘いに限界を感じ、2014年8月、バンダナを外しリングに登場。自らを蝕む病魔をファンの皆様の前で告白しました。そして2016年12月、全身脱毛症の治療に専念するため無期限休業を発表。必ずリングに戻ることを宣言しましたが、本日、2019年4月28日での引退となりました。順風満帆の滑り出しで始まったレスラー人生。プロレスに集中したい。しかし、自らを蝕む病魔との闘いでもありました。下野選手の笑顔の裏には、下野選手でしか知り得ない苦しみ、葛藤もあったことでしょう。でも、レスラー仲間、関係者、ファンの全員、みんながこう思ってます。『下野ならいつか病魔からの勝利のゴングを聞かせてくれるはずだ』。周囲の誰をも温かく、笑顔にさせてくれた下野選手。大阪を愛し、大阪に愛された下野選手。勇気ある告白。この病魔に悩む人々に、勇気を与えてくれた下野選手。頑張れ、下野佐和子。9年間、本当にお疲れさまでした」のナレーションのあと、下野の希望として、二上美紀子、渋谷佳奈(シュウ)&小川佳世(元カヨフジモリ)、3代目三崎グリ子、クロネコ、黒弁天、弁天娘、志田光、ポリスウ~メン、救世忍者・乱丸&ハイビスカスみぃ、フェアリー日本橋がそれぞれワンカウントずつでの10カウントゴングが鳴らされた。
最後に「156cm、75kg、下野佐和子!」のリングコールを浴びると、同時にブルーとピンクの紙テープが大量に投げ込まれた。
四方に礼をしてリングを降りた下野を待っていたのは、引退試合を闘った乱丸、みぃ、フェアリーによる騎馬。
それにまたがってリングサイドを1周。笑顔を振りまいて、9年間のプロレス人生の幕が閉じられた。