2021.08.01

「NAMI☆1〜Aug.〜21」

日時
8月1日  日曜日
観衆
99人
場所
◎オープニング

 オープニングでは二上美紀子会長がリングに上がり、対戦カードが二転三転したことを詫びるとともに、「この業界34年ぐらいいますが、一度変更したカードを元に戻したのは初めてです」と笑いを取りながらその経緯を説明。
 また、大阪で初開催となる「NAMI☆1」の諸注意を伝えた。
その後、入場式へ。
 出場全選手がリング上に勢ぞろいしたところで対戦カードの発表。そして、野崎渚、宮崎有妃、旧姓・広田レジーナさくらが指名されての挨拶に移った。
 野崎「皆さんこんばんは! 7月に新型コロナウイルス感染し、特にご心配おかけしました。本日復活ということですごく気合が入ってるプラス、なんとReginaに挑戦できる権利をかけて、米山さんと初シングルという、ほんとにワクワクドキドキそわそわする復活一発目になっておりますので、皆さん応援のほどよろしくお願いします」
 宮崎「皆さんこんばんは! さっきガミさんからちょっと説明があったと思いますが、24日、青木いつ希と対戦して濃厚接触者かもっていう疑いがあったんですが、25日から接触した人は濃厚接触者になるので、(自分は24日だったので)外れたので、無事、復活して試合できることになりました。応援よろしくお願いします」
 広田は濃厚接触者の疑いがあるとして会場に来ていない桜花由美社長から託されたメッセージを紹介。
 「本日はWAVE大阪大会のご来場、誠にありがとうございます。今日は会場に行けずもどかしいですが、私の分まで大会を堪能して帰ってください。そしてSNSで発信していただければ、私も会場に来ている気分になれますので、#waveproをつけてつぶやいてください。今日の大会は動画10秒までOKですので、動画も見られたらうれしいです。感染拡大防止のため声は出せませんが、心の中で大きな声援を飛ばし、手拍子で大会を一緒に盛り上げていただければ幸いです」
 改めて広田は「こんなご時世ではありますが、大阪にいる選手の気持ちは一つ。皆さまに満足して楽しんで帰っていただけることですので、選手一同、今日は輪をかけてメチャクチャ気合を入れて闘いますので、皆さん、大いに楽しんで帰ってください」と挨拶して、入場式を締めた。
▼大阪・チャレンジwave〜驚波大四強刹〜(15分1本勝負)
○宮崎有妃(8分44秒、体固め)塚田しずく●
※えびす落とし


 結果的に無事に出場となった宮崎有妃。対戦相手も当初の発表通り塚田しずく。塚田の方から「お願いします」と両手を差し出し、宮崎がそれに応じて試合開始のゴング。

ロックアップでガッチリ組み合うも、塚田が全力で押しても宮崎は一歩も動かず。
ロープ際に押し込まれた塚田は体を入れ替えてエルボーを打ち込んでいく。
 宮崎はボディースラム、ラリアット、逆エビなど力技で塚田を攻め込む。
塚田は耐えるので精いっぱい。それでも宮崎の攻撃をかわしたり、スキを見つけてはドロップキックやボディーアタックを繰り出すが、宮崎を慌てさせるまでには至らない。
正面からエルボーを叩き込み、ドロップキック、コーナー最上段からのボディーアタックなど積極的に攻める塚田だが、効果的なダメージは与えれらない。

丸め込みで逆転を狙った塚田だが、3カウントを奪うまでには至らず。
低空ドロップキック、ラリアットで追い込まれながらも必死で肩を上げていく塚田だったが、ラリアットからのえびす落としの前にはカウント3を聞くしかなかった。
▼大阪・人妻3wave(15分1本勝負)
○YAKO(8分27秒、キューティースペシャル)旧姓・広田レジーナさくら●、渡辺智子


 人妻3人による3WAYマッチ。

まずは3人で手四つ(手六つ?)の力比べ。
フィンガーロックに入ったところで旧姓・広田レジーナさくらが組んでいた手を振りほどき。
渡辺智子に「主婦の手してますね」。渡辺が主婦歴11年、広田が10年目。互いの手を見て、しっかり主婦の仕事をしてると確認。

それに比べてYAKOは……「若いし、まだ1年半で新婚。ラブラブ」と言い訳する。それが癪に障ったのか、2人がかりで攻め立てていく。
 広田と渡辺を同士打ちさせるなど、1対2でも互角の展開に持ち込むYAKOだったが、スキをついてボ・ラギノールを決めた広田。
いつの間にか広田とYAKOが組む形になっていたが、渡辺は2人を同時にバックドロップで投げ捨てた。
 広田とYAKOが、互いにフェースクラッシャーからプロレスLOVEポーズを決める展開を繰り広げる。

そこに割って入った渡辺が広田にブーレンバスター。

さらにYAKOをつかまえて、ダウンしている広田にブーレンバスターで叩きつけたが、ちょうどYAKOの体が広田の顔面に落ちる形に。

しばらく広田はエプロンでダウンしたまま。
 その間にコーナー2段目からヒップアタックを決めたYAKO。

カバーにいくも、息を吹き返した広田がボ・ラギノールでカット。

そしてYAKOにシャイニング・ウィザードを決める。
そしてコーナーに上がるも、渡辺が飛び込んできて雪崩式ブレーンバスター。

さらに両腕のラリアットで広田とYAKOをダウンさせると、まずは広田にコーナー2段目からのボディープレス。

続いてYAKOにも放っていったがかわされてしまう。
 渡辺にミサイルキックを決めたYAKO。

ところが広田が横盗りしてのカバー。

その広田のバックを取ったYAKOは、そのまま投げ捨てジャーマンへ。

勢いで立ち上がった広田はロープにもたれかかる。

渡辺のバックに回ったYAKOは、そのままロープに押し込むと、ちょうど渡辺が広田にラリアットを打ち込む形に。

そのままYAKOは渡辺をジャーマンで投げ捨てる。さらにロープの反動でふらふらと歩み寄ってきた広田にキューティースペシャルを決め、若さで人妻3WAYを制した。

◎インフォメーション


 広田が2試合続くことから設けられた休憩を利用してのインフォメーションコーナー。二上美紀子会長が再びリングに上がった。
 8月22日の後楽園ホール大会が、具体的に銘打たれてはいないもののWAVE14周年記念大会。そこで来年、区切りでもある15周年を迎えるにあたって、「15周年もちました。10周年で大田区大会をやったんで、それ以下の規模ではやりたくないけど今の体力では無理なので月1回ペースで年15回の後楽園ホール大会をやろう」と企画したものの、全員から全力で止められたことを報告。しかし、代わりの企画はまだ何も決まっていない。
 一方、この日はWAVEの運営母体である株式会社ZABUNの設立記念日。しかもスタートしてちょうど10年を迎えた。「皆さんのおかげで10年もちました」と感謝の言葉を述べた。
 ここで“波女”を勝ち取りながら負傷で欠場している高瀬みゆきがリングに上がった。高瀬は観客からの拍手を浴び、「ナマの会場はいいですね」と笑顔。「左ヒジのジン帯を断裂しまして欠場中です。7月の頭の試合で左ヒジを脱臼しまして、外れたヒジはすぐに入ったんで試合は続行しましたけども、興行が終わった後も違和感があって、痛くて病院に運ばれたところジン帯が切れていたので手術をするのかしないのかということでそのまま入院ということになりまして、手術をして3週間入院をして、今ここに帰ってきました」と経過を伝えた。
 「“波女”を獲って、これからReginaに挑戦して、私がReginaになってたはずだと思うんです。まさかカードが変更になったりとか、決まってた試合もあってWAVEの皆さんにもたくさんご迷惑をおかけしたし、皆さんにもとても心配をおかけしてしまったことに申し訳ございませんでした」と謝罪。
 「でも一つだけ言いたいのは、私はほんとにすごく元気にしております。ケガをした日にすぐに、これはもうダメだと思ってGAMIさんに電話をしたんですけども、『大丈夫や』って言ってくださって……」とまで言ったところで二上会長が「言うしかしゃあないやん」と口を挟む。「あんた、本心と思ってる、あれ? あんなビービー泣きながら電話を掛けられて、『大丈夫。任しとけ』っていうしかないやん。焦るはもう、ホンマに。アホ」と裏話を暴露。
 高瀬は「でも『大丈夫』っていう言葉が心強くて。当日はビービー泣いて誰よりも早くGAMIさんに電話したんですけども、そう言っていただいたことで私も腹が決まりました。実は手術しなくても欠場する期間は変わらないとお医者さんに言われたので、私はこの先まだまだプロレスを続けたいと思いまして、そのためには少しでも強度を上げるために手術をする道を選ばせていただきました。復帰は10月を目標にしてます。欠場は3カ月必要だと言われてますので、10月には復帰したいと思ってます。皆さんどうか、10月まで待ってください。その時は元気な姿で帰ってきますので、GAMIさん、またよろしくお願いします」と経過を報告した。
続いて「うれしいニュース」として昨日入寮したばかりの練習生、叶夢(とあ)を紹介。
 「プロレスリングWAVEの練習生になりました叶夢です。一生懸命頑張っていきます。よろしくお願いします」と挨拶。しかし二上会長から広田の準備ができるまで時間を伸ばす意味もあって、「5分ぐらいフリートークしていいよ。知らないと思いますけど、WAVEっていう団体は無茶ぶりがひどいんです。どうぞ。歌うたってもいいよ」と振られる。
 さすがに自分の方から話し始めることはできず、二上会長から「どうしてプロレス目指したんですか?」と質問された。叶夢は「もともと格闘技が好きで、K-1とかRIZIN'とかを見ていて、そこから女子プロレスを知って、凄いなと思って(プロレスへの道を)決めました」と答えたが、二上会長は「すごく不思議なんですが、格闘技を見てウチ(WAVE)にたどり着くまではすごい距離があると思ううんですよ。RIZIN'見てWAVEって……たぶん地球1周するぐらいある気がするんですけど、なんで真逆(の団体へ)?」と理解できない様子。
 「まだその時(K-1やRIZIN'を見ていたころ)は女子プロレスを知らなかったんですけど、YouTubeで女子プロレスが出てきて、それで見るようになって」と答えたものの、二上会長は「女子プロレスの中でも、すごくたくさんの団体がある中で、なんでこんな一番アクの強い団体に?」と質問。
 「最初は野崎さんにあこがれて、この人みたいになりたいなあって思って、広田さんみたいな……」と自分で答えていても整理できない様子。仕方なく二上会長が「そういう時はな、リング上に私がいてんねんから『GAMIさんの試合を見て……』とか言うねんで。そういうの、給料に響くからな」と大人の事情を教えた。
 ここで広田の準備が整ったとの連絡が入ったのでインフォメーションコーナーは終了となった。
▼サクパラダイスプレゼンツ・大阪・サクランブルwave(30分1本勝負)
○旧姓・広田レジーナさくら&SAKIwith高瀬みゆき(15分29秒、夜叉ロック)関口翔&松井珠紗●


 リングインしてパートナーのSAKI、セコンドについた高瀬みゆきとポーズを決めていた旧姓・広田レジーナさくらだが、アクトレスガールズに囲まれていることを聞かされると、5人でダンスを披露。そして5人でのポーズを決めていたが、撮影タイムが終わると関口翔、松井珠紗の先制攻撃を浴びてしまう。
広田をキャメルクラッチに捕らえた関口は、鼻フックの辱め。「子供がマネするだろ」とやめさせようとする広田だが、関口はお構いなし。広田はボディースラムから吊り天井を狙うが持ち上げられない。SAKIだけでなく、レフェリーにまで手伝わせて決めたものの、両肩がついたためフォールカウントを数えられてしまう。
関口の串刺しドロップキックを浴びながらも、フェースクラッシャーからプロレスLOVEポーズを決める広田。タカダジュンジを防がれると逆にやらせようとしたが、関口は断固拒否。するとセコンドについていた高瀬がリングに上がってきて、松井も正座させてお説教。2人は仕方なくタカダジュンジを披露するが、結局かわされて自爆。広田は2人同時にフェースクラッシャーを決めてプロレスLOVEポーズ。
タッチを受けたSAKIは関口にカンパーナを決めるも、松井が飛び込んできてカット。松井はコーナーからのボディーアタックから卍固めでSAKIを締めあげる。SAKIもブレーンバスターからコーナートップに横たえてヒザ蹴りを突き上げていく。そしてリバーススプラッシュからカンパーナを決めた。ここで広田が飛び込んできて、カンパーナを決められて無防備になっている松井にボ・ラギノール。悲鳴を上げた松井はそのままリング下まで転げ落ちた。
ここで広田はトペを放ったが、セカンドロープに体が引っかかって失敗。気を取り直してやり直したが、またしても体がロープに引っかかってしまった。ロープを背に腰を落としている広田に低空でボディーアタックを見舞った松井。さらにコーナー最上段からフットスタンプ。丸め込みの連続で追い込まれた広田が、いずれもカウント2でクリア。
関口が飛び込んできてドロップキックを決めたが、SAKIがアトミックドロップで排除。SAKIはそのまま松井にもアトミックドロップを決める。すかさず広田がボ・ラギノールを決める好連係。このパターンを3度、4度と繰り出していった広田とSAKI。
 夜叉ロックを決めるも関口のドロップキックでカットされた広田。SAKIが松井をカウンターのボディースラムで叩きつけると、広田をブレーンバスターで松井の上に投げつけようとしたがかわされてしまった。
松井のミサイルキック、フィッシャーマンズスープレックスを浴びた広田だったが、ふらふらドーンでペースを乱す。ダブルブレーンバスターを逆にダブルDDTで切り返した広田。ダブルのボ・ラギノールを決めたところでSAKIが飛び込んできてアトミックドロップの要領で松井の腰をマットに打ちつけると、すかさず広田が夜叉ロック
。関口のカットも間に合わず、松井はギブアップした。
◎試合後のマイク
 勝利後、マイクを手にした広田。9月12日に大阪・アゼリア大正で開催される自身の自主興行の告知。すでにコミカルマッチとして菊タロー、くいしんぼう仮面組vsハイビスカスみぃ、旧姓・広田レジーナさくら組が発表されているが、追加カードとして橋本千紘vs朱崇花を発表。現在、東京五輪で世界のトップアスリートが闘っているが、「女子プロレスの中にもレスリングの名選手がいます。この2人は、レスリング界でも相当ブイブイ言わせてきてます。女子プロレス界に入ってきたのも同期です。だから特別に私の尾坂大会でシングルマッチをやってもらおうと。せっかくなのでアマレスルールで勝負してもらおうと思います。プロレスの通常ルールではなく、3分2ラウンド。ポイント制で、完全にレスリングのルールに則って、レフェリーの方もちゃんとレスリング専門の方を呼んでおります」。
 さらにもう1試合。この日のパートナーであるSAKIとのコンビを再結成。「私たちのコンビのコンセプト、“人々の心にパラダイスの心を灯す”。私たちの対戦相手……ZAP」を発表。このカードを聞いて戸惑いの表情を隠せないSAKI。広田は「ZAPの心にパラダイスを灯してあげようよ。SAKIチャンは大丈夫だから。心配なのは私だから」と押し切った。
 このあとメインで、8・22後楽園での挑戦者が決まるが、広田は「どっちが来ても防衛してみせるぞ!」と気勢を上げてからリングを下りた。
▼Regina di WAVE~次期挑戦者決定戦~(30分1本勝負)
○野崎渚(16分14秒、胴絞め式コブラクラッチ)米山香織●
※野崎が8・22後楽園大会で広田の持つReginaに挑戦


 新型コロナウイルス罹患からの復帰戦で、いきなりReginaの次期挑戦権をかけての闘い。さらに米山香織とは初のシングル対決だという野崎渚。いくつものハードルが重なって荷が重いかと思われた。体調面のこともあってか、いつになく緊張した面持ちでリングに立った。
体調を確認しながらか、序盤は静かな立ち上がり。右手を差し上げて力比べに誘うも、米山は届かず。足を踏みつけようとしたが、お見通しの野崎はステップバックでかわす。身長差を生かして米山の攻撃を防ぎ、ボディーにヒザをめり込ませると、ストマックブロックでダメージを与えていく。さらにコーナーに詰めるとビッグブーツ。攻勢が続く野崎はキャメルクラッチで、自身のスタミナを回復させながら米山を攻め込んでいく。
鎌固めから早くもドルミルを繰り出した野崎。やはりスタミナに不安があるのか、早めの勝負に出る。しかし米山も、トップロープ越しに野崎を転落させると、エプロンを走ってのニーアタック。リングに戻ってからもノーザンライトスープレックス、走り込んでのセントーン、コーナー2段目からのセントーンと攻め込んでいく。
追い込まれながらも野崎は、一瞬のスキをついて米山をドルミルで捕らえる。スタンドからグラウンドに持ち込んだが、米山は辛うじてロープブレイクに持ち込んだ。雪崩式のノーザンライトスープレックスを決めた米山。リング中央でエルボーの打ち合いを繰り広げるが、カウンターのビッグブーツを浴びてしまう。
ドルミルで絞めあげた野崎だが、米山はサードロープに足を伸ばしてブレイクに持ち込む。ならばとノアールランサーを叩き込む。1発だけでなく、念には念をで、2発、3発と。米山も死力を振り絞って野崎を丸め込んでいくがカウント3は奪えない。相手が根負けするまでこれでもかとノアールランサーを叩き込んで、コブラクラッチへ。

後方に倒れ込みながらして米山の胴に長い脚を巻きつけていく。必死で耐えていた米山だが、さすがにこれは逃れることができず。野崎の勝利が宣せられた。
◎試合後のマイク
 復帰戦を勝利で飾った野崎。レフェリーの手を上げられた瞬間にようやく笑顔がこぼれた。マイクを手にすると、大の字のままの米山に対して、「米山さん、『プライドよりも、目の前にあるチャンス。男気なんていらないんですよ』っていう米山さんの言葉、私すごく共感しました。そして成立した次期Regina挑戦権(争奪戦)、そして初めての米山さんとのシングル、ムチャクチャ興奮しました。米山さんから取ったこのチャンス、絶対逃さないんで、2回目のシングルマッチ、楽しみにしていてください。ありがとうございました」と感謝を述べた。
 そして、「今言ったように、今日ここでつかんだチャンス、絶対に逃さず、私が第17代Reginaとして、高瀬! あんたの復帰、待ってるよ」といつの間にかリングに上がっていた現王者である広田を無視して、リング下にいた高瀬に視線を投げかけ、「しっかり治して。焦らず待ってるから」との言葉を贈った。
 野崎から「なにかありますか?」と振られた広田。「私は今、とっても傷ついています。この心の傷、された仕打ち、辱められた私です。ここ2、3回、ずっと恥をかかされております。8月22日は、すべての感情を、このベルトに託し、そしてあなたから見事防衛し、メチャクチャ赤っ恥をかかしてやるからな」と返した。
 これに野崎も「十分、年末(昨年12・27後楽園)にRegina取られた時点で赤っ恥かいてんだわ!」と返し、「取り返してやるからな。そして私が第17代Reginaになって、高瀬と試合をしたいと思います」とベルト奪回を宣言。
気を取り直して、「今日はほんとにいろいろありましたが、楽しんでいただけましたでしょうか?」と呼びかけ、「私自身、久しぶりの試合で、こんなビッグチャンス、ほんっとにめったにない機会だと思って、復帰が決まってからっていうか、コロナの療養期間があって、ちょっと体力、筋力落ちたのも、8月1日に向けて一生懸命戻してきたんですけど、でも、まだまだ私は細いんだと自覚しました。もっともっと頑張ってトレーニングして練習して、8月22日、Regina獲りたいと思います。皆さん応援よろしくお願いします」と気持ちと伝え、最後は「これがWAVEだ!」で大阪初の「NAMI☆1」を締めた。
◎野崎バックステージ
--まずは挑戦権うんぬんは抜きにして、復帰戦でした。
野崎「そうですね。コロナから復活して一発目の試合でした」
--実際、どんな症状だったんですか?
野崎「熱が出て、ノドの痛みがあって、鼻水、鼻詰まり、下痢、味覚、嗅覚(を失う)、オンパレードの症状でした。もう(伝えられてうようなこと)全部いただきました。でもほんと療養中、どんどん体力が奪われてくのを身にしみて感じてたんで、この8月1日復帰決まってほんと、さっきもマイクでリング上で言ったように一生懸命、なんかちょっと練習生のころを思い出すようなレベルな(笑)。もうほんとこれは(体力を)戻さな、せっかくもらったチャンス逃してしまうと思ったので、もうそれはそれは必死にトレーニングや練習しました」
--焦りもありました?
野崎「ありました! 体力筋力が奪われてしまてるのが、今日コスチューム着てわかるんですけど、目に見えてわかるもの(が出てくると)、やっぱりちょっと焦りを感じましたね」
--普通の女性なら「やせた」って喜べるんですけね。
野崎「確かに! やせることがこんなにショックな職業ないですね(笑)」
--実際、スタミナや技のタイミングなど試合で感じた部分は?
野崎「そうですね、完全復活とは言えないかなっていう反省点はあるんですけど、ただ私がコロナで欠場したひとつ前の試合がCATCH(THE WAVE)の準決勝で。その時の気持ちは持ってたかなっていうのはあるので、気持ちの面では前へ前へ行けたんですけど、ちょっと体力が、見てるお客さんにも伝わっちゃったって思うかなっていうのは自分でも感じます」
--執念で米山選手を振り切ったという感じでした。
野崎「そうですね。やっぱり面の前にチャンスがあるなら、それをつかまなきゃもったいないっていう思いが私にも米山さんにもあったので、お互い執念はあったかな。たまたま私が(カウント3を)取れただけで、次、米山さんとシングルやったらどうなるかわからないぐらい、米山さんとのシングルは初めてだったんですけど、すごい白熱した興奮した試合になったかなと。ほんと執念の闘いでした、お互い」
--このキャリアで初めてのシングル対決って珍しいんじゃないですか?
野崎「でも私、4年半プロレス休んでたので、結構、シングルやってない選手が実はいたりします。なので、このキャリアで米山さんと初シングルっていう貴重な機会をいただきました」
--CATCHの延長戦っていう感覚はありますか?

野崎「CATCHはCATCHで終えたっていう感覚が自分にはあるので、CATCHでのチャンスを逃した自分にしばらくチャンスはないって思ってた矢先にチャンスが来たって思ってますね」
--現チャンピオンをどのように見てますか?
野崎「広田さん……そうですね、私は広田さんの一つ前のチャンピオン、Reginaだったんですけど、強さだけを求めて、シンプルに強いものがベルトを持つっていうものにしていきたいっていう思いと、広田さんはベルトを持ってる間、どうWAVEを盛り上げていくかっていう方にいってる。ベルトを持ってる時のスタンスが、ほんとに真逆っていう思いがあって。それは自分にはできないものなんで、最初とられたときは悔しかったんですけど、サクパラダイスとかいろんな、Reginaを持ってる自分にしかできないものをすごい明確にされてるのは、やっぱいろんなところで試合されてきた広田さんだからできるものなんだなって、ちょっと勉強になった部分もあるんで、私が次、第17代Reginaになるつもりでいるので、そしたら自分はどうするかっていうのを、広田さんを通してすごい考えるようになりましたね」
--まずは体力、筋力を戻すことでしょうけど……。
野崎「もちろん」
--広田選手のペースに巻き込まれないこと、あるいは巻き込まれてもその上をいくとか……。
野崎「さんざん巻き込まれてきたんで(笑)。私はチャンピオンだった時、広田さんにReginaを取られたときの広田さんは、なんていうか本気モードだったし、ベルトを持ったらバリバリのコミカルっていうときもあったし、なんか読めない選手なんですけど、読めない選手って楽しいですね。自分にないものなので。何もない広田さんでもいいし、思う存分振り回してくれる広田さんでもいいですね」
--久しぶりにプロレスをして、楽しかったですか?
野崎「楽しかったです! もう、疲れてしんどい思いを今もしてますけど、今すぐ試合したいって思います。ハハハ、バカなやつ(笑)」
--この日の復帰戦が決まってたからこそ、気持ちが集中できた部分もありました?
野崎「目標とか、ある程度ここって決めないと追い込みやすさとかあるじゃないですか。GAMIさんとは『8月1日メドかな』って話をしてたんで、それとReginaj次期挑戦者決定戦が重なったというだけで。結構、照準を合わせてました、1日に」
--じゃあ、次は3週間後のタイトルマッチに合わせて……。
野崎「その前に新木場大会2連戦もあるので。ありがたいことに他団体さんにも呼んでいただいてるのもあるので、後楽園に照準を合わせながら、いつでもすぐに試合できるようにしていきたいと思います」