2021.11.07

「COOL RUNNING~Nagisa Nozaki 5484 party time!!~」

1、ヤングwave(15分1本勝負)
△青木いつ希&三浦亜美(時間切れ引き分け)Maria&梅咲遥△

今年2度目となる後楽園ホール大会は、野崎渚の15周年記念興行として開催。第1試合はヤングwaveがおこなわれ、青木いつ希&三浦亜美と Maria&梅咲遥がタッグマッチで対戦した。

試合前、青木&三浦が元気な声で「よろしくお願いします!」と握手を求める。梅咲は応じたが、Mariaはいかにも面倒くさそうな表情。握手を拒否してスタートとなる。

まずは三浦vs梅咲の顔合わせ。手四つの体勢となるが、三浦は171cmの長身。なかなか手が届かない梅咲。ジャンプを繰り返すが、三浦も同時にジャンプ。仕方なく梅咲はMariaに肩車してもらうも、青木がカットに入る。
逆に三浦&青木がダブルのショルダータックルを梅咲に敢行。三浦がヘアーホイップにつなげるが、これで梅咲にもスイッチが入る。ヘアーホイップでやり返すと、かわったMariaが三浦をロープに固定し、腕攻め。今度はロープに飛ばすが、三浦がショルダータックルで飛び込んで行く。

続く青木はMaria→梅咲にショルダータックル。そしてMariaをロープに張り付け、「野崎さん15周年おめでとうございまーす!」と叫んでからのランニング・ニー。さらに「桜花さんのヤツーーー!」とロープ際でのダブルニードロップを投下する。

劣勢のMariaだったが、青木の串刺し攻撃を切り抜け、片足ドロップキック、ドロップキックをお見舞いする。三浦にもドロップキック4連発。カウント2。

5分経過。三浦もボディースラムでMariaを叩きつけ流れを変えると、串刺しボディーアタック。逆エビ固めへ。耐えられるとアルゼンチン・バックブリーカーを狙うが、回避したMariaがドロップキックを放って梅咲と交代。
梅咲は三浦にドロップキックで続く。これはカウント2。三浦が逆水平チョップでやり返すと、梅咲はエルボーで応戦し、チョップから走るも、三浦がカウンターのブレイジング・チョップ。ならばと梅咲も低空ドロップキックからバッドボーイを敢行。そこから低空ドロップキック、ミサイルキックにつなげる。

これをキックアウトした三浦がボディースラムの体勢。切り抜けた梅咲がロープに走るも、エプロンから青木が足止め。三浦のボディーアタック、アルゼンチン・バックブリーカー、フェースバスターが決まる。キックアウトされると、今度は青木が串刺しバックエルボー、フェースクラッシャーで追い打ちをかける。

ロープに走る青木。だが、梅咲がサムソンクラッチで流れを変える。カウント2。タッチを受けたMariaがフロントキック、スリングショット式のフットスタンプ、パントキックをお見舞い。これはカウント2。エルボーの打ち合いからMariaが変形卍固めへ。
なんとかしのいだ青木がダブルニーアタック、ブレーンバスター・ホールドを敢行。キックアウトされるとダブル・ニードロップを投下する。これは梅咲がカット。ならばと青木はMariaにセカンドからのボディープレス、ファンタスティックフリップで三浦を投下する。

劣勢のMariaだったが、梅咲のアシストから攻勢に転じると、青木を飛びつき式の三角締めで捕獲。耐えられると、すかさず走るMariaに青木がラリアット。カウント2。時間が迫るなか、青木がジャーマンの体勢に入ったが、ここで時間切れのゴング…。しかし、諦めきれない青木がジャーマンで投げきり、ようやく終了となった。
2、メモリアルwave(20分1本勝負)
○野崎渚&彩羽匠(12分38秒、エビ固め)進垣リナ●&笹村あやめ
※ノアールランサー・ハイ

11月23日に引退が決まっている進垣リナ。これが最後のwave大会となることから、野崎渚が対戦を希望し、実現したカード。野崎のパートナーは、マーベラスの彩羽匠。マーベラス10・27後楽園で開催された「ワンデータッグトーナメント」で優勝した実力派タッグだ。一方の進垣は、同期の笹村あやめとの3Aで挑む。なお、野崎と進垣の対戦は、20年11・21新宿大会以来となる。
試合は、彩羽vs笹村でスタートするが、彩羽は早々に野崎と交代。早速、3Aがダブルの攻撃を仕掛け、主導権を握る。そして笹村が「野崎さん、15周年おめでとう!」と、3Aでおしゃれキックを狙うが、野崎がかわす。逆に野崎&彩羽の連係キック(おしゃれキック+パントキック)が笹村に決まる。さらに野崎は笹村をコーナーに固定しブレイジング・チョップを連発。ハーフハッチを敢行する。笹村もドロップキック、DDTで反撃を試みるが、野崎がビッグブーツで迎撃し、ミサイル発射。カウント2。
彩羽が出て行き、野崎とトレイン攻撃を成功させる。続く彩羽の串刺し低空ドロップキック、ニールキックはいずれもカウント2止まり。今度はエルボー合戦に。ロープに走る笹村に、彩羽がソバット。しかし笹村もブレーンバスターを放って、進垣と交代。
進垣は彩羽のヒザにレッグドロップ、そのまま足を極めにかかるが、これは彩羽がロープ。ならばと彩羽の足をロープに固定し、ドロップキックをお見舞いする。
一方、彩羽はキックのコンビネーションからランニング・ローキック、低空ドロップキック。高速ブレーンバスターでカウント2。さらにカウンターのローリング・エルボー。旋風脚が決まる。タッチを受けた野崎が進垣にスリーパー。大外刈りは、進垣もかわす。ならばと野崎はビールマンキックから腕を極めにいく。これをしのいだ進垣が逆に腕十字へ。彩羽がカットに入る。
10分経過。進垣のカミカゼ、笹村のフットスタンプの波状攻撃が決まる。そこから進垣がチキンウイング・アームロックへ。これは野崎がロープ。

劣勢の野崎だったが、カウンターのノアールランサー・ハイからレインメーカー式ビッグブーツ。もう一度、ノアールランサー・ハイを叩き込む。進垣に返されると変形アームロックで捕獲する。これは笹村がカット。ならばと彩羽もキックでアシストに入り、最後は野崎がダメ押しのノアールランサー・ハイで進垣から3カウントを奪った。
◎バックステージ
進垣「waveさんにはホントにデビュー当時からお世話になってて、普段自分の団体じゃ経験できないことを経験させてくれて、進垣リナというものの幅を広げてくれたと思います。やっぱり野崎さんとの対戦はタイトルマッチ以来だったんですけど、本当に素晴らしい選手で。今日どうにか野崎さんから1本取ってやろうと思ってたんですが、最後逆に自分が取られてしまう形で。でも、しっかりツメ跡は残せたんじゃないかなと思います」

――大流血しているが?

進垣「カカトが顔面に入ってしまって…。これも勲章ということで(苦笑)」

笹村「ハロウィンは終わったけど、パートナーがこうやって血を出しながら頑張ってくれて。waveさんだけじゃなく、後楽園ホールがたぶん今日進垣ラストということで。勝ちたかったけど、恋人してたあの2人の絆がスゴかったので。私はプロレス界のテッペンを目指してまだまだやっていきますので、今後ともよろしくお願いします!」

進垣「これからも笹村あやめをよろしくお願いします(笑)」

――waveの思い出は?

進垣「思い出はいろいろありますけど、ハロウィンの度にいろいろさせられたイメージがありますかね。この前のモシャスとか、変なオジサンしたり。だいたい広田さん絡みですけど、お客さんからは『あの試合を見て元気をもらった』という方もいたので。少しでもお客さんに元気を与えられてたら、自分もプロレスやってよかったなって思います。ノビノビさせてもらったと思うので、本当にwaveさんの試合は面白かったです!」
3、W.W.W.D世界エリザベス選手権試合(60分1本勝負)
<王者>○桜花由美(11分52秒、片エビ固め)米山香織●<挑戦者>
※ビッグブーツ。もう1人の挑戦者はLeon。第6代王者が初防衛に成功

マーベラス&wave合同興行10・1後楽園大会で、旧姓・広田さくらからW.W.W.D世界エリザベス王座を奪取し、第6代王者となった桜花由美。初防衛戦の相手は、自身の20周年記念大会となった8・22後楽園で、PURE-J無差別級王座を懸けて争ったLeon。そして、もう1人の挑戦者は、今年が引退撤回から10年となる米山香織となった。
ゴングが鳴らされると、3人が対峙。トライアングルの手四つ状態となるが、米山だけが手が届かず。「ちょっと下げて!」と要望するも、桜花がガットショットであっさり排除。

リング上は桜花vsLeonという図式となり、Leonが桜花にヘッドロックを仕掛けて膠着状態となる。そこに米山が強引にヘッドロックで絡みつく。ヘッドロックのトーテムポールができあがるなか、Leon&桜花が共闘。米山をアームロックで捕獲する。ならばと米山はLeon&桜花をまとめてアームホイップ。低空ドロップキックで顔面を捕らえていく。
試合の主導権を握る米山は、Leonを味方につけダブルのフェースバスターを敢行。ここから米山&Leonの波状攻撃が決まり、桜花が孤立する展開。だが、これも米山の作戦だった。Leonが桜花にキャメルクラッチで捕らえると、米山は桜花ではなく、Leonにドロップキック。

怒ったLeonが米山に風車式バックブリーカー、逆エビ固めでお仕置きしていくが、桜花はそのLeonにコブラツイストを極める。さらにLeonに串刺しビッグブーツ、カカト落としでカウント2。走る桜花だったが、Leonがスピアでキャッチ。串刺しスピアで反撃にかかる。続くnoki-Anバックブリーカーは、米山がカットに入る。

再び米山は桜花を巻き込み、ロケット式ドロップキック。しかし、桜花はそのまま米山をバックドロップで叩きつける。
再び米山は桜花を巻き込み、ロケット式ドロップキック。しかし、桜花はそのまま米山をバックドロップで叩きつける。

今度は桜花が主導権を握る形となり、米山にビッグブーツ2連発。米山はモンゴリアンチョップで応戦するが、グルグルパンチ、ビッグブーツは桜花に届かず。しかし、米山もなんとかキックを当てると、セントーンでお返し。

そこに飛び込んで行ったのはLeon。ミサイル・ボディープレス(米山にミサイルキック、桜花にはボディープレス)で試合に割り込んでいく。

戦況が桜花vsLeonに移り、桜花のビッグブーツ、Leonのスピアが交互に決まる。そこからLeonが走るも、割り込んだ米山がカウンターの首固め。カウント2。間髪入れずに不知火でカウント2。ここで桜花も米山に垂直落下ブレーンバスターを敢行する。Leonも桜花にブレーンバスターを放ち、3選手がダウン状態。

エルボーを打ち合いながら立ちあがった3選手。しかし、米山が集中砲火に遭い、排除される。リング上は桜花vsLeonのエルボー合戦に。攻勢に出る桜花がビッグブーツ、クロスアーム式DDT、カカト落としでカウント2。走る桜花に、Leonが旋回式スラムを決める。
10分経過。コーナーに登るLeonだったが、米山が桜花を横取りカバー。さらに後方回転エビ固めを狙うが、桜花が回避しネックハンギングボム。桜花はLeonにバックドロップ、米山も米-ZOUを狙うが、これは未遂。すかさずLeonが桜花&米山にスピアを敢行する。

混戦のなかコーナーに登るLeonだったが、桜花が転落させ、リング上は桜花vs米山という状況。ここで米山は後方回転エビ固め。カウント2。追撃にかかる米山だったが、桜花がカウンターのビッグブーツを叩き込み、接戦を制した。これで桜花は初防衛。
◎試合後のマイク
試合後、米山がマイクを握る。

米山「ちょっと待ってぇぇぇ! もう1回、もう1回挑戦させてよー! 40歳の記念にどうしても欲しかったの、お願い。ねぇ、Leonも、もう1回やろうよ。もう1回3人でもう1回やりたいですー」

Leon「私は無差別も、タッグのベルトも待ってるから、ヨネ頑張って。私はこのあとPURE-Jの道場マッチがあるのでお先に失礼します」

米山「もう1回だけ、もう1回だけ」

桜花「やだよ。ほかにやりたい人いるし」

米山「でも、ほら私、今日11月1日…じゃないけど一日の波の日は毎回出てるの。12月1日もあけてるから、そこでやろうよ。ねぇ、お願いします。ダメ?」

桜花「来年。来年ね!」

米山「わかった…美人社長、美人社長、お願いします。12月1日、美人社長。美人×4、お願いしまーす」

桜花「じゃあwaveの選手以外で誰か40歳以上を連れて来てくれたら、やってあげてもいいよ」

米山「おおおー、オッケー。さすが美人社長! ありがとうございますー」

桜花「誰か連れてきてよ、wave以外でね」

米山「わかった! わかりました!! もう1人連れてきて、12月1日、波の日にエリザベス王座挑戦、もう1回、よろしくお願いしまーす。美人社長ありがとう。みなさん、美人社長にもう一度、盛大な拍手をーーー!」
改めてベルト&認定証の授与式となり、梅咲遥が代読する形で桜花に授与された。
◎バックステージ
桜花「初防衛、成功しました! 40代しか取れないベルトに、米山さんとLeonさんが挑戦してきてくれて、それで防衛できたことがすごく嬉しいです。あの2人を私はリスペクトしてるので。12月1日は米山さんが40代以上の選手を連れてきてくれるということなので、それも防衛していい年越しをしたいと思います」
4、DUAL SHOCK WAVE~WAVE認定タッグ選手権試合(30分1本勝負)
<王者組>SAKI&○清水ひかり(15分31秒、ふらふらドーン)宮崎有妃&旧姓・広田さくら●<挑戦者組>
※第26代王者組が2度目の防衛に成功

8・22後楽園で門倉と青木からベルトを奪取したSAKI&清水ひかりのgalaxyPunch!(以後、ギャラパン)。10・9新木場で未依&網倉理奈の挑戦を退け、これが2度目の防衛戦となる。今回の相手は、元WAVE認定タッグ王者でもある宮崎有妃&旧姓・広田さくら(奇跡)の迷タッグ。正統派のギャラパンは、難敵・奇跡をどう料理するのか。注目の一戦となった。
試合は奇跡が奇襲を仕掛けてゴング。早速、SAKIを倒立させると、広田が高速ボ・ラギノールを放って行く。ギャラパンも広田に連係を仕掛けるが、かわした広田がギャラパンにボ・ラギノール。開始から広田ワールドがさく裂する。
先手を取られてしまったギャラパンだったが、ダブルのブレーンバスターを放って流れを変えようとする。だが、広田はギャラパンにまとめてボ・ラギノール。ロケット発射式ボ・ラギノールまで繰り出し絶好調。ならばとSAKIはバックドロップを狙うが、広田が着地してやはりボ・ラギノール。ある意味、一点集中攻撃で主導権を握る。
続く宮崎ははずかし固め狙い。抵抗するSAKIにしつこく狙っていく。清水がカットに入ると、宮崎は「いいよ、SAKIにやらなくても。じゃあお前がやるってことね?」と脅迫。SAKIを見捨てた清水が引き下がる。
自力ではずかし固めを回避したSAKIは、清水にダブルを強要。しかしこれは未遂に。一方、奇跡のハンマー式ボディープレスも未遂に終わる。すかさずSAKIがバックドロップを狙うが、宮崎が踏ん張る。ならばとSAKIはブレーンバスター、フロントキックでカウント2。
続く清水がPK。宮崎は「SAKIにできなかったからな!」とはずかし固めを狙うが、清水が回避し、PKF、PKでカウント2。コーナーに登るも、宮崎が妨害。SAKIが肩車で宮崎を捕獲するとダブルインパクト式のボディーアタックを狙う。これを宮崎が迎撃し、清水をはずかし固めで捕獲する。
く宮崎のムーンサルト・プレスは清水が寸前でかわす。ならばと宮崎がビッグヒップ。カウント2。

広田が出て行き、ボ・ラギノール。張り付けボ・ラギノールを狙うが、これはSAKIがカット。すかさず清水がオクラホマロールで丸め込む。カウント2。

広田も拝み渡りへ。そして清水&SAKIにルーチャ。さらに広田は清水に619、SAKIにボ・ラギノールをお見舞いする。リング下に落ちた清水にトペ・スイシーダを放つが、これは奇跡が同士討ちとなる。
これで攻勢に転じた清水がプランチャ・スイシーダを投下する。ギャラパンは広田をリングに戻して合体のフットスタンプ。リング中央でのPKFが決まる。キックアウトされるとダイビング・フットスタンプ、ブロックバスターホールドと畳みかける清水。だがこれもカウント2。

一方、広田もカウンターの裏拳から走るも、清水が切り返してカバーする。広田のふらふらドーンはカウント2。ここで宮崎が清水にえびす落とし、広田が夜叉ロックにつなげる。なんとかこれはSAKIがカット。
ギャラパンはダブルを狙うが、宮崎がダブルハンドのラリアットで迎撃。すかさず広田がスワンダイブの体勢。だが、自滅に終わる。しかも、ボ・ラギノールも宮崎に誤爆してしまう。すかさず清水がスクールボーイでカウント2。逆打ちもカウント2止まり。
ここでSAKIが広田を肩車。再びダブルインパクト式のボディーアタックを狙うが、寸前で広田が回転エビ固めに切り返す。さらに広田はウラカン・ラナ。ここから清水との丸め込みの応酬に。いずれもカウント2止まり。間髪入れず広田は投げっぱなしのへなーら・サンセットを放つも、清水のふらふらドーンが決まり3カウント。ギャラパンが難敵・奇跡からベルトを防衛した。
◎バックステージ
SAKI「Color's大会で初防衛して、2度目の防衛。何が起きたか全然わかってないんですが…」

清水「無我夢中だったので。でも、最高で最強でした!」

SAKI「waveの2人から防衛できて、誰がなんと言おうと私たちがwaveのタッグチャンピオンです! もっともっと勝ってベルトを磨いていきたいと思います」
5、Anniversary wave 15th~Nagisa Nozaki 5484 party time!!~(30分1本勝負)
○井上京子(15分8秒、エビ固め)野崎渚●
※ナイアガラドライバー

2006年11月3日にNEO女子プロレスでデビューした野崎渚。その後は、ワールド女子プロレス・ディアナ、フリーランスを経て、一時はリングを離れていた時期もあったが、2017年にZABUN専属フリーとして活動を再開。2019年4月よりwaveに正式入団した。右肩の負傷、眼窩底骨折などケガに泣かされたプロレス人生でもあったが、今年で15周年を迎える。その野崎が記念マッチの相手に選んだのは…かつての師匠でもある井上京子。2人のシングルは今回で2度目。2009年のNEO5・24ラゾーナ川崎以来となる。そのときは京子がラリアットで勝利を収めている。
クリーンな握手をかわし、ゴング。ロックアップで組み合うと京子が余裕で押し込んでいく。ロープに走る野崎だったが、京子がショルダータックルで迎撃。ヘアーホイップが決まる。そして、ダンシングツリーへ。耐えられるとキャメルクラッチで捕獲する。なんとか脱出した野崎が卍固め。耐えられると京子をコーナーに押しこみブレイジング・チョップの乱れ打ち。
さすがの京子も「イターーーイ!!!」と、アイアンクローでやり返す。ブレーンバスター、クロスフェースへ。モンゴリアン・チョップで追い打ちをかける。
さらにミサイルキック、ハーフハッチへ。キックアウトされるとザキゴェ、ダブル・ニーアタックでカウント2。ノアールランサーもカウント2止まり。すぐさまドラゴンスリーパーで捕獲する野崎だったが、京子もロープ。野崎はビールマンキックで追い打ちをかけ、コーナーへ。
しかし、京子が追いかけ雪崩式ブレーンバスターに切り返す。流れが変わり、京子が張り付けラリアット、そしてパワーボムの体勢。踏ん張る野崎に京子がエルボーを見舞う。
一方、野崎もレインメーカー式ビッグブーツ2連発。京子もパワーボムでやり返す。カバーには行かず、野崎が立ち上がるのを待つ京子。今度はエルボー合戦となる。
仕掛ける野崎に京子がカウンターのラリアット、間髪入れずにパワーボムを敢行。野崎もビッグブーツで応戦。カウント2。京子は再びショートレンジのラリアット。パワーボムで叩きつけるも、なんとか返す野崎。
京子がショートレンジのラリアットでなぎ倒すも、野崎がドルミルⅢ(胴締め式チキンウイング・フェースロック)で捕獲する。動きの止まる京子をカバーするもカウント2。ノアールランサー4連発はカウント2。ノアールランサー・ハイもカウント2止まり。もう一発ノアールランサー・ハイを叩き込む野崎。だが、これでも決まらない。思わず頭を抱える野崎。
エルボーで向かっていく野崎に、京子がラリアット。ダメ押しのナイアガラドライバーで3カウント! 試合後、京子から歩み寄り、野崎と握手をかわした。
◎15周年セレモニー
敗れた野崎がまずはマイクを握る。

野崎「京子さん、たくさん迷惑をかけた自分と、今回シングルマッチやってくれて本当にありがとうございました。この15年間いろんなこと経験して、いまだったら井上京子を越せるんじゃないかって思ってたけど、やっぱりまだまだでした。京子さんに勝つまで、自分絶対、引退しません。また、良いタイミングでシングルマッチよろしくお願いします」
続いて15周年のセレモニーがおこなわれ、NEO女子プロレスOGの三田英津子さん、元気美佐恵さん、田村欣子さん、タニー・マウスさん、仲村由佳さん、勇気彩さん、石田亜矢子リングアナウンサーが来場。懐かしのNEOのテーマ曲が流れるなか、花束が贈呈された。そのあと京子、宮崎も加わり、記念撮影をおこなった。
桜花「締める前に報告をしていいですか?(二上美紀子会長が結婚?と突っ込む)違います!まだです。そしたらちゃんとビジョンに出すんで!! 私の結婚報告ではございませんが、プロレスリングwaveは、2022年も元日から大会を開催いたします。2022年1月1日、午後3時より新宿FACEにて『ハッピー・ニュー・イヤー2022』を開催いたします。そして来年の後楽園ホール大会が決定いたしました。2022年はなんと4回! 4回開催いたします。日程を発表いたします。2月13日、5月5日、7月17日、11月6日、こちらの4大会、後楽園ホール大会が決定しました。で、今日、発売しておりますのが2月13日の後楽園大会となります。大会終了後、エレベーター降りたところで販売しておりますので、ぜひみなさんチケットを買って帰ってください。よろしくお願いいたします」
野崎「はい、じゃあ締めさせていただきます。waveの選手だけでいいので上がって来ていただければと思います。いつものアレですね。『これがwaveだ!』やらせていただきます。そうですね、この15年間、本当にいろんなことがありました。辛いこともたくさんありました。でも、こうやって15周年を迎えられたこと、すごく感謝しています。みなさんありがとうございました。そして、いま、いろいろと辛い状況がみなさんにもあると思いますが、前を見て、しっかりと明日に向かって歩いていってほしいと思います。未来が見えないとき、明日が見えないときは、ココ、私たちは四角いリングの中にいるし、waveを見にくれば、間違いないと思います。本当にみなさん、これからもwaveを応援し続けてください。これは正式ケッテーだ! いま、ノザキ様が決めた、ケッテー! これがwaveだーーー! ありがとうございましたー!」
◎バックステージ
野崎「ありがとうございました。何もしゃべれないです。何か(質問あれば)お願いします」

――今日の試合を振り返って。
野崎「今日の試合、そうですね、京子さんとのシングルマッチってこの15年間で2回目だったんですけど、ふだん当たる選手よりも何倍も重くて、一発一発が。それでも私15年間いろんなことを経験してきて、強くなった自覚があって、いまこうやってベルトを手にしているし、すべて京子さんにぶつけて勝てるんじゃないかと思ってたんですけど、やっぱり簡単には越えれない人ですね、井上京子は。でも、簡単に倒せないからこそ、いつか絶対倒してやるという目標ができて、またイチから頑張れるって、プロレスやってて大事なことだなって思いました、今日。まだまだ辞められない理由があって、すごくよかったです。いつか絶対、京子さんを倒します」

――今日は2試合だったが。

野崎「あっ、そうですね。やっぱり井上京子相手に2試合って、厳しいと思われていたかもしれないですけど、なんかやっぱりwaveって変則的なルールが多いなか、いろんなこと経験していて、つい最近だとタッグですけど、1日5試合やったりとか、そういうのをやってきたからこそ、私だったら絶対できるっていうちょっとした自信もあったので、2試合でも大丈夫だろって思ってたんですけど…。京子さんとのシングルマッチに大きいダメージあったかといえば、そこまでなかったので、イケる!と思ったんですけどね…。2試合じゃなかったらもっといけたのかなって…。ちょっと考えちゃいましたけど、いやでも、今日は2試合でよかったと思います。進垣と闘える場所がココしかなかったので、後悔してないです、2試合」

――最後は懐かしい方々も。

野崎「いやー、本当に嬉しいです。15周年っていうので、声を掛けてくれたのは宮崎さんなんですけ…(涙を堪える)ああ、すみません。ああやって集まって、先輩が後輩のために集まって、ああやって見に来てくれて、花まで用意してくれて。ああ、すごい幸せだなと。すごい涙を堪えるのに必死でした。いま、やばいですけど、本当にうれしいです。こんな幸せなことないと思います」

――NEO出身の現役はいま野崎さんを含め3名だが、京子さんと、宮崎さん…。
野崎「そうですね。NEOってなくなってしまった団体なので、いまを生きる…という意味では引きずってても仕方ないんですけど、やっぱりNEOって私、プロレス始める前から大好きな団体だったので、そこにいたっていうことは忘れたくないし、胸にしまって、NEOで学んだことをベースにいま頑張っている。なんて言うんだろうな…みんなにも忘れてほしくないし、知らない人には知ってほしいし、なくなってしまった団体だけど、NEO出身として胸を張ってこれからもプロレスを続けていきたいと思います」

――脱臼とか眼窩底骨折とか休んでいる時間も多かったが。
野崎「そうですね、15年間、そうですね」

――waveで復活するまで戻ってこないんじゃないかと思ったりもしたが、頑張り抜けた要因は?
野崎「そうですね、本当にケガが多くて、もともとwave10周年の大田区で復帰するときも引退をするための復帰っていうのがあったなかで、単純に言えばケガの具合がよくなったというのが一番続ける大きな理由の一つなのと、やっぱりケガが治ったら、動けるようになったら自分の思う通りにプロレスができるようになって、楽しくての今ですね。結果が付いてきて、ベルトも手にしてもう一生関わることのないと思った井上京子選手と試合できて、本当に続けていてよかったなっていう思いですね、いまは」

――京子さんにシングルでオファーした理由は?
野崎「そうですね、15年間を振り返って、一番最初、15周年で、結構前からなんですけど、いつかデビュー戦のカードをやりたいという思いがあって、でも、私のデビュー戦の相手を務めてくださった(ダイナマイト・)関西さんは引退したし、(井上)貴子さんは、私の15周年のカードを決めるとき、欠場中だったので、なんか、そしたら隣にいた京子さんとシングル。プロレスラーとしてデビューしたとき、隣で見守ってくださった先輩、団体のトップの選手と15周年という節目で、一番に野崎渚を感じてほしい。体感してほしいって思ったのは京子さん。っていうので、京子さんと試合がしたいと会社に言いました」

――16年目の抱負は?
野崎「16年目、そうですね。今日、勝てなかった京子さんを倒すためにまた16年目、イチからではないですけど、積み重ねてきたものを捨てずに、どんどん×2、積み重ねていって、またリベンジして、次こそは勝ちたいと思います。それが16年目以降の目標ですね。井上京子を倒す、これを目標に頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。16年目もよろしくお願いします」
◎京子バックステージ
京子「何年ぶりだったんでしたっけ?」

――12年6カ月ぶり。

京子「12年6カ月ぶりだって、調べてくれたそうで。まあリングの上で野崎選手も言ってましたけど、『いろいろありましたけど』って本当に、月日って素晴らしいものですね。そしてまさか、今日改めて思ったんですけど、野崎が15周年、そしてまだ私がリング゙に立っているという、ちょっと前には誰も想像できないっていうか、私もまだプロレスをやらせてもらっていることも奇跡だし、野崎とシングルで闘えるってことが本当に奇跡に近いことだと思います。そして、うん…やっぱり野崎も言ってましたけど、倒すまではやめられないって。私も、チャンピオンじゃなかったらね、そっか…って思うんですけど、まだ私もディアナのチャンピオンなんで、まだまだ負けられないという気持ちが大きくて。最後、技を受けてあげようと思っていましたが、ぜんぜんそんな余裕もなく、大人げなく(笑)。なんか、まあ上からっていうのは申し訳ないですけど、あの野崎が強くなったなと思いました。正直な感想です。(頬を押さえて)効きました…」

――野崎選手は、家出娘とお母さんみたいな関係と言ってたが。
京子「ハハハハ。そうですね、本当アキすぎてビックリするくらい。シングルのオファーが来たときにビックリしたのが本当。私でいいのか?というのと、いま私がチャンピオンで、年もこんなに離れていて、家出期間も長かったんですけど、本当に不思議な、オファーをいただいたときには本当に不思議な感じでした。でも、やるからには、キッチリいま私も違う団体でチャンピオンで、トップで頑張ってるぞ!というところを見せつけたかったので」

――野崎選手が最初にお酒を飲んだのは京子さんと言っていたが。
京子「あ、ホント? 私、二十歳前に入った子はみんなにそう言ってるんです。お酒が飲めるようになったら一番はじめに私と乾杯しようねって。みんなに言ってるので、たぶん野崎もそうだったと思うし、Sareeeもそうだったかもしれないし、最近、遥もちょっとお酒を飲めるようになったんですけど、乾杯は私としようねって。面白いですねー、ふふ」

――過去にはいろいろありましたが。
京子「うん、本当にでも時間がいろんなことを埋めてくれるんだなと思いました。私もたぶん、その時間がなければ『よし、やろう!』とは思えなかったと思うし、時間ってすごく大切だと思いました」

――3年前にディアナでタッグトーナメントがあったときに野崎選手を呼んだのはどういう心境の変化だった?
京子「まさか同じリングに立てるとも思ってはなかったんですけど、やっぱり本当にこう井上京子って、『京子っていろいろこだわりあるよね?』ってみんなに言われるんですけど、まったくそんなことなくて、いいもの取り入れていこう。昨日言ったこと、1時間前に言ったことを忘れているところもあって、やっぱりあのときはお祭りをやりたかったんですね。はじめにディアナをやったときに他団体をリングに上げないとか、いろんなことがあったんですよ。なんですけど、いまそんな時代じゃないし、変わっていかなきゃいけないこともすごくあると思うんですね。そのときに、どこかでは、プロレスやっているからには絡んでいかなきゃいけないだろうな…とは思っていました。でも、まさか記念すべきところのシングルで呼んでもらえるとは思ってなかったのでビックリしました」

――解雇処分をした人ですからね。
京子「それは言っていいのかな? そこはやんわりしてたんだけど(笑)。でもよかったです。時間がいろいろ解決してくれました」

――本人がまだまだ引退しないと言ってましたが。
京子「私の方が先にするわ」

――改めて野崎選手にエールがあれば。
京子「野崎さん、私は33周年なので、ケガも多いと思いますけども、頑張れるだけ頑張って。ファンに元気を与えてください。ありがとうございました」