2022.07.17

「CATCH THE WAVE 2022~決勝戦~」

◎前説
恒例の前説で野中美智子リングアナウンサーが野崎渚がヒザのケガにより今大会を欠場することをアナウンス。決勝リーグのリザーバーである高瀬みゆきが代打出場することが発表された。
◎オープニング
大会開始時刻の11時30分に、スーツ姿の二上美紀子会長&桜花由美社長が登壇。

二上会長「本日はみなさんお忙しいなか、会場に足を運んでいただきありがとうございます」

桜花社長「ありがとうございます」

二上会長「えっと、私たちがスーツで並んでいるということは…謝罪です。本日、土壇場で、朝、急きょ決まりまして、残念な結果になったんですけども、えーっと、CATCH THE WAVEの決勝まで辿り着いた野崎渚が、昨日ケガをしまして、のちほど挨拶で出て来ますが、本当に残念で…。いままでいろんな欠場とか、いろんなことがあったんですけど、これほど無残な結果というのが、いままでなかったので、本当に今日バタバタしております。本当に申し訳ございませんでした。で、払い戻しにつきましては、本日みなさんはいらっしゃっているので払い戻しはないと思うんですけれども、もちろんないと思うんです。後日、払い戻しの方とかは対応させていただきます。ケガは本当にプロレスラーはしょうがない…っていう言葉では済ませられないんですけど、気をつけてても絶対ケガはするものなので、私たち2人もさきほど見ていただいたように、足をひきずりながら毎日歩いています…(苦笑)」

桜花「野崎が欠場して、本当に野崎と鈴季すずの試合を楽しみにしていた皆様、本当に申し訳ございません。私も欠場中で人のことを言えないんですけれども、本当にプロレスラー、いつどこでケガをするかわかりません。それでもこんなにみなさん見に来ていただいて、ありがとうございます!」

二上会長「説明の通り、決勝リーグ戦で万が一のためにと思って、高瀬みゆきをリザーバーにしたんですが、まさかの形でこんなところで高瀬が役に立つとは思いませんでした。本当に高瀬のおかげでなんとか本日、決勝戦を無事に終われそうです。結果はどうであれ、CATCH THE WAVEを最後までできることに意義があると思いますので、みなさん最後まで楽しんで帰ってください」
ここで野崎渚本人が松葉杖で登場。リング下からマイクを握る。

野崎「いまリングに上がることができず、下から失礼いたします。本日は大事な波女決定戦、そしてレジーナ・タイトルマッチを欠場となってしまい、申し訳ございませんでした。そして、欠場の発表が開場2時間前というギリギリの時間になってしまったことも、本当にお詫び申し上げます。どうしても波女になりたくて、どうしても初対決のすずと試合がしたくて、会社にワガママを言って、ギリギリまで治療に励まさせていただいたんですが、このような結果になってしまいました…。そんなワガママを受け入れてくれた会社にはすごく感謝しています。GAMIさん、桜花さん、ありがとうございます。もう一つ、自分のワガママというか、意見を聞いていただきたいんですが…、レジーナを返上させてください。はい…。今年こそ、波女になると決めて、えー、決勝まで頑張ってきましたが、プロレスの神様はいくつ私に試練を与えるんだろうと…。本当に打ちのめされそうになったんですが、レジーナ返上ということで、またイチから頑張って、その試練に立ち向かい、レジーナと、そして来年こそ、波女とりたいと思います。みなさん、応援よろしくお願いします。(大きな拍手が沸き起こる)決勝にはリザーバーとして高瀬が、すずと試合をするということで、みなさん急きょカード変わってしまいましたが、最後まで楽しんでいってください。よろしくお願いします」
桜花「返上…」

二上「ベルトを懸けるとか、返すとか、本当にワガママなノザキ様なのですが…。しょうがない。私は返上っていうのは大嫌いなのですけど、この場合はしょうがないので返上は受け入れます。なので、このままスライドで、このまま懸けましょう。その方がいいですよね、お客さんも?(大きな拍手)ありがとうございます。では、メイン、CATCH THE WAVEの波女決定戦とRegina di wave、高瀬vs鈴季すず…で、決勝とベルトを懸けてメインで闘っていただきます。みなさん最後まで応援よろしくお願いします」

桜花「よろしくお願いします!」
1、Emotional wave(20分1本勝負)
○志田光&川畑梨瑚(17分19秒、片エビ固め)狐伯●&世羅りさ
※荒鷲ドライバー


野崎渚の欠場報告&カード変更という波乱の幕開けとなったwave後楽園ホール大会。いきなり第1試合に登場したのはAEWで活躍する志田光。狐伯にとって、なかなか当たることのない相手だけに、どんなインパクトを残せるかが注目ポイント。また志田のパートナーを務める川畑梨瑚とはリーグ戦で引き分けており、タッグマッチではあるものの、CATCH THE WAVE最終日に決着をつけておきたいところだ。そして、狐伯のパートナーを務めるのはプロミネンスの世羅りさ。ちなみに志田と世羅は同じルーツを持っており、2018年12・31後楽園以来の顔合わせとなる。
狐伯vs川畑、志田vs世羅と手を合わせたあと、徐々に狐伯が捕まる展開に。川畑が低空ドロップキック、ヘアーホイップで追い込んで行く。続く志田はサーフボードストレッチからのワキ固めへ。耐えられると、川畑と交代する。

5分経過。狐伯がスワンダイブで攻勢に転じようとする。これを川畑がキックで墜落させる。狐伯も諦めずカニばさみを敢行。だが、川畑も追撃を許さずカウンターのトラースキック。ならばと狐伯はドロップキックで応戦し、なんとか世羅とのタッチに成功する。
挽回モードの世羅が川畑にセラリズムバスター。ジャイアント・スイングを敢行。さらに串刺し攻撃を狙うが、川畑が迎撃しミサイルキックでやり返す。カウント2。

今度は志田と世羅がエルボー合戦。場外戦となり、志田と世羅が竹刀で衝突。続けて場外ブレーンバスターを成功させたのは世羅。エプロンからのダブルニードロップを投下する。
リングに戻った世羅は志田にリバース・スプラッシュ式ダブルニードロップで追い打ち。すぐさま走る世羅だったが、志田がカウンターの竹刀。世羅もカウンターの正拳でやり返すと「お返しだ!」と竹刀で志田の胴を打ち抜く。ならばと志田はフェイントキック。これに対して世羅はファルコンアローで応戦。志田もファルコンアローでやり返していく。

タッチを受けた狐伯のスワンダイブ・ミサイルキックが志田に決まる。首固めはカウント2。さらにカサドーラを狙うが、これを押しつぶす志田。キックアウトした狐伯は続けてコルバタの体勢。だが、志田も踏ん張りバックブリーカー。
ここは世羅がカットに入りエルボー合戦。狐伯と川畑もエルボー合戦でぶつかり合う。志田&川畑が同時に延髄斬りを決めると、志田が狐伯にミサイル発射。カウント2。続く志田のブレーンバスターは、世羅が慌ててカットイン。

ここから混戦となり、世羅のエアーズロック、川畑のハイキック、狐伯のドロップキックが立て続けに決まっていく。

改めて狐伯が志田にボディースラム。走る狐伯だったが、志田がカウンターのヒザ蹴りで止めて、ランニング・エルボーを敢行。さらに荒鷲ドライバーと畳みかけ、狐伯から3カウント! スーパースターのここぞの実力を見せつけた。
2、スクランブルwave(20分1本勝負)
SAKI&○清水ひかり(13分47秒、キューティースペシャル)中森華子&大空ちえ●

第2試合には、元WAVE認定タッグ王者組でもあるSAKI&清水ひかり(galaxyPunch!、以後ギャラパン)が登場。PURE-Jの実力者・中森華子と大空ちえとの対戦となった。中森はデイリースポーツ認定タッグ王座のベルトを持参してのリングイン。

先発は清水vs大空。サイドヘッドロックの取り合いから読み合いの攻防へ。中森が加わり、PURE-J勢がダブルのDDT、ドロップキックで挟み撃ち。
タッチを受けた中森がフライングメイヤーからのサッカーボールキック。清水もやり返す。続くPKはカウント2。

SAKIが出て行き、ギャラパンが波状攻撃。そこからSAKIがサソリ固めへ。耐えられると、リバース・スプラッシュで追い打ちをかける。すぐさまロープに飛ばすも、中森がカウンターのネックブリーカードロップを敢行する。
大空が飛び出していき、SAKIに拝み渡りからのアームホイップ。清水が救出に向かい、ストンピングを大空に連発。ヘアーホイップ、サッカーボールキックをお見舞いする。SAKIもグーパンチと見せかけてチョキをアピール。

劣勢の大空だったがアンクルホールドで形勢逆転。これも清水が救出。ギャラパンでトレイン攻撃を狙うが、大空が迎撃しセカンドからのドロップキック。
清水vs中森となり、ミドルキックの打ち合いとなる。中森がカウンターのミドルキックを放てば、清水もカウンター攻撃から延髄斬りを連発する。ならばと中森はシャイニング・ウィザードを敢行。キックアウトされると、タッチを受けた大空がミサイル発射。これもカウント2。
10分経過。大空が清水にブラ下がり腕十字。このピンチを切り抜けた清水がローキック。雷電ドロップを放つと、すかさずSAKIが低空ボディーアタックで続く。さらに清水が雷電ドロップを決め、セカンドからのフットスタンプを投下。なおも走る清水を中森が足止め。大空がサムソンクラッチ、オクラホマロールにつなげる。いずれもカウント2。中森のハイキックから大空がフィッシャーマンSHを敢行。これもカウント2止まり。
今度はSAKIのボディースラムから、ギャラパン合体のフットスタンプが決まる。すかさず清水がランニング・レッグラリアット、ダイビング・フットスタンプでカウント2。
最後はキューティースペシャルで大空から3カウントを奪ってみせた。
3、Pride wave~コミカルvs剛腕~Yesterday's enemies could be today's friends(30分)
宮崎有妃&旧姓・広田さくら&米山香織&松本都(4-4)夏実もち&優宇&青木いつ希&笹村あやめ
①○広田(5分17秒、ふらふらドーン)青木●
②○広田(8分24秒、ダブルフォール)笹村●、青木●
※ウラカンラナ
③●都(11分4秒、体固め)優宇○
※ラ・マヒストラルを押しつぶして
④●都(11分21秒、体固め)笹村○
※ラ・マヒストラルを押しつぶして
⑤●都(11分38秒、体固め)青木○
※ラ・マヒストラルを押しつぶして
⑥●米山(14分51秒、体固め)優宇○、笹村○、青木○
⑦○宮崎(27分57秒、片エビ固め)優宇●
※碁盤の上へのデスバレーボム
◎延長戦(時間無制限1本勝負)
○青木いつ希&優宇&夏実もち&笹村あやめ(1分12秒、エビ固め)旧姓・広田さくら●&宮崎有妃&米山香織&松本都
※ラ・マヒストラルを押しつぶして


第3試合は眼窩底骨折のため欠場していた宮崎有妃の復帰戦。惜しくも決勝戦に進めなかった選手たちがコミカルチーム、剛腕チームにわかれての8人タッグマッチで激突する。当初は、ここに高瀬みゆきがエントリーされていたが、リザーバーとして繰り上がったため、急きょう夏実もちが参戦することとなった。
ルールは30分間でより多く、フォール・ギブアップなど通常のプロレスルールで勝ち星を多く取ったチームが勝利。ルチャリブレ・ルールが採用され、最初の5分はお互いシングルマッチとしてスタート。そのあと、5分おきに各チーム1人ずつ投入される。入場順は曲が鳴ってから分かる「バトルロヤル方式」。フォール&ギブアップ、その他で負けた選手もそのまま試合は続行される。これに加えて25分でスローモーションルールが発動されることもアナウンスされた。
コミカル先発は旧姓・広田さくら。剛腕先発は青木いつ希。手四つの力比べでスタートとなるが、ガンの飛ばし合いでヒートアップ。青木がショルダータックルをお見舞い。読み合いの攻防から広田が押さえ込みを連発すれば、青木は丸め込みの連発で応戦する。

広田が「ちょっと待って。いったん落ち着こう」と小休止。するとモジモジしだす青木。どうやらコスチュームの前後を間違えて履いてしまった模様。広田に突っ込まれて、ヤケクソになった青木が串刺しバックエルボー、フェースクラッシャー、ボディープレスと畳みかける。青木の丸め込みはいずれもカウント2。すると広田はまたもや青木のコスチュームをイジリはじめる。青木が「本当によくないから…」と諭してラリアット。エルボー連打から走る青木だったが、広田がふらふらドーンで1本目をゲット。
続いて剛腕に笹村あやめ、コミカルに米山が合流。剛腕チームは広田にダブルの逆エビ固め、米山にはダブルのショルダータックルをお見舞いする。さらに米山をコーナーに逆さ吊りにすると、広田を孤立させる。
笹村が広田に逆エビ固めを決めるも、米山がなんとかカット。そのまま米山は剛腕チームをまとめて後方回転エビ固め。キックアウトされると、間髪容れずに広田が剛腕チームをウラカン・ラナでクルリ! 広田のダブルフォールとなり、コミカル勢が3対0と大量リード。
試合は続き、米山と笹村がエルボー合戦。広田が拝み渡りにつなげる。ここで剛腕に優宇が投入される。早速、優宇は米山&広田にクロスボディー。コミカルには松本都が合流する。

都は優宇にカカト落とし。ラ・マヒストラルをねらうが押しつぶされて優宇が3カウント。都は笹村にもラ・マヒストラルを狙うが、これも押しつぶされて3カウント。青木にも同じ技を仕掛けるが…やはり押しつぶされて3カウント。
一気に3対3のイーブンに。ここで広田が作戦タイム。都のせいでイーブンになったことに対して反省を促す。都がコーナー上でのY字バランスで反省、広田も米山に怒られ犬神家で反省に入る。
米山孤立することとなり、数的優位な剛腕勢がサンドイッチ攻撃、3人同時のボディープレスで3カウント。

夏実もちは盗んだ宮崎のコスチュームで登場。遅れて宮崎がブリブラダンスでリングイン。いきなりプランチャ・スイシーダを投下する宮崎。そして、もちをリングに戻し、「脱げ!」とコスチュームを奪おうとする。
もちがはずかし固めを狙うが、宮崎も堪える。剛腕勢がコミカル勢にトレイン攻撃を放つが、もちが巻き込まれる。このチャンスに宮崎がブレーンバスター。さらにもちを逆さ吊りにすると、広田がボ・ラギノール。続いてムーンサルト・プレスを狙うが、これは不発。
逆にもちがリバース・スプラッシュ。担ごうとするも、宮崎が水車落としで回避し、もちの上に広田を投下。カウント2。宮崎がキャメルクラッチにとらえると、米山がドロップキック、都がローキック、広田がゲキを飛ばしていく。

ローンバトルを強いられるもち。ここで広田がロメロスペシャルの体勢。一人では持ち上がらなかったが、コミカル全員がアシストにまわりなんとか成功させる。4vs3の攻防のなか、宮崎が試合を見ていた志田を連れ込み、中央ではずかし固め。
ここでスローモーションタイムが発動され、都のY字バランス、米山のモンゴリアン・チョップ、宮崎のビッグヒップ、広田のボ・ラギノールが志田に決まる。

スローモーションが終わったと同時に志田が竹刀でお仕置きする。残り3分となり、宮崎の串刺しラリアットがTommyレフェリーに誤爆。レフェリーの死角を作ると碁盤の上へのデスバーレボムを敢行。これで3カウントが入り、再び4対4のイーブンとなる。

残り時間が少なくなるなか、宮崎がもちにムーンサルト・プレスを投下。これは青木&笹村がカット。もちも回転エビ固めに切り返す。残り30秒から宮崎がカウンターのラリアット。カウント2。タイガー・スープレックスを放ったところで試合終了。4対4のドローとなった。
試合後、広田がマイクをとる。

広田「とにかく宮崎さん、お帰りなさい! でも、それはそれ。これはこれなんです。『4点とれてヤッター!』じゃない次元なんですよ。4対4で仲良しこよしで終われるわけないんですよ。完全決着つけましょう。剛腕ブロックvsコミカルブロックでサドンデスやりましょう!」

広田のこの発言を受け、急きょ延長戦が決定。一斉に両軍が入り乱れて再びゴングが鳴らされる。場外戦となるなか、リング上では広田と青木が対峙。広田のボ・ラギノールを青木が受けきり、投げ飛ばす。すかさず青木のラリアットが決まる。
広田もふらふらドーンを狙うが、今度は青木が切り返してカウント2。改めて青木がラリアット。カバーするも、これはコミカル勢がカットする。今度は広田&都でY字バランスからのカカト落とし。すかさず広田がラ・マヒストラルを狙うが、押しつぶした青木が3カウント!
4、CATCH THE WAVE 2022決勝戦~Regina di WAVE~WAVE認定シングル選手権試合(時間無制限1本勝負)
鈴季すず(18分15秒、ジャーマン・スープレックス・ホールド)高瀬みゆき●<リザーバー>
※すずが第13代波女、第18代レジーナとなる

5・5後楽園で開幕したCATCH THE WAVEの最終日。7・1新宿、7・2大阪、7・3名古屋でおこなわれた決勝リーグの結果、Aブロック1位の野崎渚、Bブロック1位の鈴季すずが決勝戦をおこなう予定だったが、信州プロレス7・16長野に参戦した野崎が左ヒザを負傷。今大会を欠場、レジーナを返上することとなった。
これにより決勝リーグのリザーバーであり、去年の波女である高瀬みゆきが繰り上がり、すずと対戦。リザーバーの高瀬が勝てば、波女2連覇達成。すずが勝てば史上最年少の19歳10カ月での戴冠となる。大畠美咲が持つ24歳6カ月での戴冠記録を大幅に更新することになる。

試合はフォアアームの打ち合いから、高瀬がドロップキックで仕掛けると、すずもドロップキックでやり返す。ケンカキックにつなげるすず。コーナーホイップするも、切り返した高瀬がセカンドからのドロップキック、バックブリーカーにつなげる。そして、串刺しドロップキック、逆エビ固めへ。なんとかすずがロープ。
コーナーに登る高瀬を落としたすずがプランチャを狙う。これは高瀬が阻止。すずは高瀬をエプロンに叩き付けると、リングサイドから走り込んでのフロントキックを敢行する。そのまま場外戦が続くと、今度は高瀬が優勢に。
高瀬がミサイルキック、串刺しラリアット、ジャンピング・エルボーアタックと畳みかける。キックアウトされると逆エビ固めへ。かろうじてすずがロープ。高瀬がボディースラムで叩き付けたあと、コーナーへ。すずが張り手で止める。高瀬も張り返し、ヘッドバット。すずもヘッドバットで返して、雪崩式ブレーンバスターを敢行する。これはカウント2。ロープにセットした高瀬にスライディングしてのジャーマン。ミサイルキック、串刺しニーでカウント2。
高瀬もエルボー、チョップから走るも、すずが追走式へ。高瀬も追走していく。そしてラリアットでカウント2。さらにギロチンドロップ2発を腰に投下していく。なおも走る高瀬に、すずが交通事故タックル。カウント2。
小刻みにエルボーを放っていくすず。今度は走るも、高瀬がカウンターのえびす落とし。だが、カバーしたのはポジションを入れ替えたすず。ドルフィンバスターでカウント2。投げっぱなしジャーマンが決まったところでダブルダウン。
エルボーの打ち合いから高瀬がダブルチョップをお見舞い。すずもヘッドバットから投げっぱなしジャーマン。カウンターのグラン・マエストロ・デ・テキーラでカウント2。ジャンピング・ハイキックをお見舞いする。
高瀬もカウンターのラリアットで反撃。2発目もカウント2止まり。えびす落としも返されると、ローリングストーンを狙うが、すずが切り返してドルフィンバスター、最後はジャーマンSHで3カウント。
試合後には、まず阿部由美子社長から認定証とレジーナのベルトが授与された。
◎CATCH THE WAVE 2022表彰式
二上美紀子会長がリングへ。

二上会長「おめでとうございます。いろいろと欠場者が出ましたが、無事、終わりました。皆さん今年も楽しかったと思います。すごい試合の連発でした。選手のみなさん、ありがとうございました」
続いて、各賞が発表され、トロフィーと賞金が贈られた。

◎技能賞=米山香織
二上会長「えー、今年はちょっと悩んだんですけれども、平均年齢が今年グッと下がりまして、グッと下がったなかでもテクニカルな一面を、ちょいちょい出してきた米山(こめやま)香織さん」
◎殊勲賞=梅咲遥
二上会長「殊勲賞はですね、なんと波女になった鈴季すずに一人だけ勝った人がいます。今日、来てません。梅咲遥さん。梅咲さんコロナにかかったらしいので。お転婆さんなんでね、のちほど贈りたいと思います。」

◎敢闘賞=青木いつ希
二上会長「えー、今年はこの人、メチャメチャ頑張りました。2人いたんですけど、どうしても私はこっちかなっていう、これはもう主観です。自分の好みだけです。敢闘賞…青木!」
◎ベストバウト賞=5・29川崎◎中森華子vs清水ひかり
二上会長「決勝リーグははずしました。ぶっちゃけて言うと、決勝リーグ全部がベストバウトです…ぐらいすごかったので、決勝リーグははずしました。みなさん、平等な形で選ばせてもらいました。ベストバウトは6月11日? アミスタで? おこなわれました…あれ? 6月11日アミスタでしたっけ? 5月29日かな。とにかくアミスタでおこなわれました中森華子vs清水ひかり(5・29川崎)。ちなみに敢闘賞のもう一人の候補は清水ひかりでした。ごめんベストバウトにしといた」

◎ベストパフォーマンス賞=梅咲遥

二上会長「これも私の主観だけです。先輩の技を、自分のモノにした、梅咲遥の勝利のバックエルボー。(パクられた方の広田が抗議する)広田のバックエルボーですけど、もともとくいしんぼう仮面やからね。でも広田より梅咲遥のほうがぜんぜんモノにしてカッコいいので、遥ちゃんのものにしておきましょう。(高瀬に向かって)梅咲遥さん、伝えといてくださいね。2つ賞もらったと言っといてください」
続いて1位、2位の表彰へ。

二上会長「ちょっとその前に、いつもの通り私は銅メダルを作ってしまったのですが、今回、3位決定するのを忘れてまして。すっかり忘れてました。なので、決勝リーグに残った人たち、8月1日出てください。そこで3位決めましょう。いいですか? 3位は8月1日に持ち越します」

◎第2位=高瀬みゆき
二上会長「えー、最強のリザーバーでした。ありがとうございます。高瀬でよかったです」
◎第1位=鈴季すず
すずがリングに上がり、金メダル、トロフィーが二上会長から手渡される。優勝賞金100万円はスポンサー・La Festaから贈られた。
すず「えっと、あの…、まずは最年少波女、そして第18代のレジーナ・チャンピオンになりましたー! トロフィーとか、100万円とか、もらったことないものばかりでちょっと戸惑っているんですけど、フリーになってwaveさんに参戦させていただくようになって、リーグ戦に参戦してこのような結果を残せて、本当に本当に嬉しいです。応援ありがとうございました! ちょっといま、頭がまわってなくて、自分がいま何をしているのか、わかっていないので助けてください(苦笑)」

二上会長「えっと、レジーナが波女になった場合、次の防衛戦の相手を指名することができます」

すず「そうなんですね。そんなの決まってるじゃないですか…野崎渚!(野崎を見つける)そこか! 今日、野崎さんと闘えなくて、すっごく悲しかったけど、野崎さんがケガを治して完全復活するまでこのレジーナのベルトは防衛戦やりません! 野崎さんが復帰してから、野崎さんが一番最初にこのベルトに挑戦しに来てください」
二上会長「えっと…、野崎のあのケガはいつ治るかわからないので、そんな長期政権を無駄には築けません。いいですか? で、いま、なぜかスーパースターがやる気を出してきたので、スーパースター(と言ってマイクをゆずる)」

志田「だってアメリカにいるから、日本のベルトに挑戦しちゃいけないなんてこと、ないですよね? だったらそのベルト、私が世界的なベルトにしますよ。どうでしょう、波女さん」

すず「いいですよ! 野崎さんとは一番最初にやりたかったけど、私はオマエのことを知ってる! 試合してみたかったんだ。だから、いいですよ。やりましょう」

志田「じゃあ日程等、まかせます。いつでも日本に来ます。お願いします」
二上会長「ケンちゃん、大丈夫か? 丸の内線乗るのとは意味が違うねん。簡単に言うけど…ではやりましょう。お客さん見たいですよね? ちなみに初対決?」

すず「はい!」

二上会長「ふーん…。えー、私ごとなんですが、今年wave、15周年なんです。ありがとうございます。風が吹いたら飛ぶようなちっちゃい会社なんですけど、15周年持ちましたので、ぜひお二人の闘いは、15周年の大会でやっていただいて、お願いします」

すずと志田が握手をかわす。
二上会長「もう一つ、言っておきたいことがあります。某団体の、リーグ戦にエントリーされていますよね、アナタ。ねえ。いいですか? これはプロレスリングwaveの最高峰のベルトなんです。下手なことはしないでくださいね。わかってますよね?」

すず「も、もちろん!」

二上会長「わかってますよね」

すず「わかってます!」

二上会長「結果を残してこいよ。よろしくお願いします」
すず「わかりました!(記念撮影のあと)それでは締めていいですね? それでは、3連戦で後楽園大会、プロミネンスの締めでやると、私は言いましたので、今回もプロミネンスの締めで締めたいと思います。いま鈴季すずが決めた、ケッテー!×2、レッツ・ゴー・プロミネンス!」
◎鈴季すずバックステージ
すず「レジーナ、最年少波女、そして第18代レジーナチャンピオンの鈴季すずです! 本当にフリーになってから、なかなかベルトに挑戦だとか、そういうのタイミングがなかなかなかったんですけれども、CATCH THE WAVEで決勝までいけることになって、野崎さんが『すずを見てたらレジーナ懸けたくなった』と言ってくれて、このベルトで野崎さんをブン殴って、リングの上で野崎さんと会ったのはそれきりなんで、本当に今日、闘いたかった…。けど、ケガはプロレスでつきものだし、神様がいまじゃなかったって言ってくれたんだなと思って、野崎さんと絶対にどこかでリベンジしたいなと思います。まぁ、どこかのスーパースターと言われるでしゃばりさんが、せっかく人がね、こんなめでたい、100万円もいただいてめでたいときに、でしゃばりさんが出て来ちゃったからね、スーパースターをぶっ倒して、鈴季すずがこのベルトを持って海外をかけまわって、そしてケガが治った野崎渚と、レジーナ懸けてシングルマッチやりますんで。絶対にみなさんそのときまで楽しみにしていてください!」

――100万円の使い道は?
すず「えーーー、まず焼き肉食べに行って、あと車を買って…。あとデスマッチアイテムをいっぱい買いたいなって思っています。ヒヒ」

――直前に対戦相手が変わったことは?
すず「複雑な心境ではありました。野崎渚と試合をするつもりだったので」

――ケガを知ったのは?
すず「えー、昨日です。昨日、知ったんですけど。ケガしたって聞いて、でも、試合はギリギリまで治療して、試合は出たいっていう感じだったけど…。完璧なコンディションの野崎さんとシングルマッチしたいので、今日は複雑な気持ちでしたけど、今日は今日でよかったんじゃないかな、と。高瀬みゆきと初シングルマッチやって、メチャクチャ熱い選手で、ちょっと途中まで圧倒されそうになったんですけど、なんかすべて物事がいい方向に進んでいるなと思っております。すみません、変なことしか言えない。戸惑っています」

――プレッシャーとかあった?

すず「リーグ戦を勝ち上がってきたというのもあって、プレッシャーというか、絶対にベルトをとりたい。最年少波女になりたいっていう気持ちと同じくらい、やっぱりありましたね。みなさんに『頑張って、応援してるよ』って言っていただけるのありがたかったんですけど、期待に応えなきゃみたいな気持ちが生まれてきちゃって。10代でレジーナを巻いている人は少ないと思うので、私もあと2カ月で大人の階段登ってしまいますけど、10代のうちにあと2カ月の間にこのベルトをいろんなところに連れていきたいですね。GAMIさんにプレッシャーまでかけられちゃったんでね、これからもいろんなところにこのベルト持っていって、いろんなところで鈴季すずをアピールして、世界に羽ばたいていってやろうかな、ふふ。はい、そう思います」

――アイスリボンのときもベルトはとったが、他団体の看板ベルトをとった気持ちは?
すず「やっぱり重いですね、すごく。メッチャ重いです。いろんな人が腰に巻いてきた、いろんな人が命懸けで守ってきたこのベルトがいま自分の腰にあって、凄く責任感も重大だし、肌身離さず持っています。ぶら下げておこうかな、首から。すごく大切にしたいです、はい」

――このあとダブルヘッダーだが。

すず「そうですよ! そうだった。そうですよ、いまから新木場1stRINGでプロミネンスの大会ありますんで、このベルトをまずはプロミネンスのファンの皆様にお披露目して、ちょっと血まみれにしてやろうかな? このベルト、血まみれにしてやります!」
◎高瀬バックステージ
高瀬「まさかこんな状態で自分に決勝の機会がまわってくるとは思いませんでした。鈴季すず選手、とてもいい選手でした! 強かったです!! 自分のリザーバーという立場が、役に立たないことに越したことなかったんですけど、こうなってしまったことはプロレス、みんな真剣にやっているので、ないことではない。でも、私が去年ケガをしたときに助けて待っててくれてた野崎さん、そのかわりに私が今日メインイベントに立つ、それが運命のように感じました。だからこそ、私はしっかり勝って、波女2連覇して金メダルを野崎さんの前に持っていきたかったんですけれども、やはりこのCATCH THE WAVEというリーグ戦、勝ち進んだ鈴季すず選手。パッと上がって勝てる選手ではなかったです。でも、私は野崎さんの復帰、心から待っております。それまですず選手が待っているか、志田さんがとって待っているのか、わかりませんが、また野崎さんにレジーナが渡ったときに、私、もう一度挑戦しにいきたいと思います。それまでこの銀メダルも一緒に預かっておこうと思います。今日はありがとうございました」